更年期に起こる症状と対処法
去年まではそんなことはなかったのに、今年の夏は頭から汗が吹き出る・・・あるいは、頭痛なんてなかったのに、ここのところよく頭が痛くなる、無性にイライラする・・・
なんてことはありませんか?
それはひょっとしたら年齢によるものかもしれません。正しい対処法を知っていれば症状が軽くなり、日々を快適に過ごせるようになるかもしれません。
このブログでは私自身の経験を含め、更年期に起こりやすい症状とその対処法をお話していきたいと思います。
目次 1.更年期とは?
2.女性ホルモンについて
3.更年期に起こりやすい症状
4.更年期と東洋医学
5.症状の対処法
6.まとめ
1.更年期とは?
そもそもなんで更年期っていうの?
「更」とはかわる、あらためる、新しいものと入れかえるという意味があります。
ようするに、「年が改まる時期」という意味です。
これは、閉経を境に女性の体と心、そして社会的な役割が大きく変化する時期であることを表しています。
「更年期」という言葉は、江戸時代頃から使われていたと言われています。
女性の体は閉経前と後で、女性ホルモンの分泌量やバランスが大きく変化します。この変化によって、心身に様々な症状が現れるようになります。
通常、更年期とは、閉経を前後する約10年間の期間を指します。
閉経は、卵巣機能が衰え、月経が永久的に停止する生理現象です。
一般的には、45歳~55歳頃に訪れますが、これはとても個人差が大きく、30代後半で閉経を迎える人もいれば、50代後半まで月経がある人もいます。
更年期になると、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の量が大きく減少します。
このホルモンバランスの変化によって、心身に様々な症状が現れるようになります。
また最近では、30代~40代の女性で、閉経を前に女性ホルモンのバランスが変化し始め、心身に様々な症状が現れる方もあります。
これをプレ更年期と言います。
閉経の平均年齢は50歳前後ですが、プレ更年期の症状は個人差が大きく、20代後半から感じる人もいれば、40代後半になってもほとんど症状が出ない人もいます。
本当に年齢も症状も症状の程度もとても大きな個人差があるのが女性の更年期です。
2.女性ホルモンについて
具体的に更年期のお話に入る前に女性ホルモンについてお話します。
女性ホルモンは、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンの2種類が主にあります。
これらのホルモンは、月経や妊娠、出産など、女性の生殖に関わる重要な役割を担い、その作用は全身にわたります。
特にエストロゲンは、卵巣から分泌される女性ホルモンの中でも特に重要な役割を担っており、月経や妊娠、出産、更年期など、女性の様々なライフイベントに関与しています。
- 月経周期の調節: エストロゲンとプロゲステロンのバランスによって、子宮内膜の増殖と剥離を促し、月経をコントロールします。
- 妊娠・出産の準備: エストロゲンは子宮内膜を厚くし、受精卵の着床を促します。プロゲステロンは妊娠を維持するために子宮を安定させます。
- 女性の体つきを作る: エストロゲンはバストやヒップの発達を促進し、骨密度を維持するのに役立ちます。
- コレステロール値を調整: エストロゲンは善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らすのに役立ちます。
- 脳の機能を維持: エストロゲンは脳の神経細胞を保護し、記憶力や集中力を維持するのに役立ちます。
- 肌の健康を保つ: エストロゲンはコラーゲンの生成を促進し、肌のハリや弾力を保つのに役立ちます。
このようにエストロゲンの働きは多岐にわたります。
しかし、実は、エストロゲン単独で作用するわけではなく、他のホルモンとの密接な連携によって、その機能を発揮しています。
・ エストロゲンとプロゲステロン
:エストロゲンとプロゲステロンは、「卵胞期」と「黄体期」と呼ばれる2つのフェーズに分かれて分泌量と役割が変化し、月経周期をコントロールします。
卵胞期(エストロゲン優位): エストロゲン量は増加し、子宮内膜を厚くし、卵胞の発育を促進します。
黄体期(プロゲステロン優位): 排卵後にプロゲステロン量が上昇し、子宮内膜を妊娠に備えた状態に保ち、受精卵の着床を促します。もし妊娠が成立しなかった場合、プロゲステロンとエストロゲンは急激に減少 し、子宮内膜が剥離して月経となります。
・ エストロゲンとインスリン
エストロゲンは、インスリンの感受性を高め、血糖値を下げる作用を持っています。閉経後、エストロゲン分泌量が減少すると、インスリン感受性が低下し、糖尿病のリスクが高まることが分かっています。
・エストロゲンと甲状腺ホルモン
エストロゲンは、甲状腺ホルモンの分泌を促進し、基礎代謝を上昇させる作用があります。閉経後、エストロゲン分泌量が減少すると、基礎代謝が低下し、太りやすくなったり、寒がりになったりする原因となります。
・エストロゲンと成長ホルモン
エストロゲンは、コラーゲンやエラスチンの生成を促進し、肌のハリや弾力を保つ作用があります。閉経後、エストロゲン分泌量が減少すると、シワやたるみができやすくなったり、乾燥肌になったりする原因となります。一方成長ホルモンは細胞の修復を促進することで、より効果的に肌の弾力やハリを高めることができます。成長ホルモンの分泌量も年齢とともに減少するため、肌の再生能力が低下し、肌の老化が加速する可能性があります。
・エストロゲンと幸せホルモン
エストロゲンは、セロトニンやドーパミンなどの幸せホルモンの分泌を促進し、気分を明るくする作用があります。閉経後、エストロゲン分泌量が減少すると、うつ状態やイライラなどの症状が現れることがあります。
3.更年期に起こりやすい症状
更年期の原因は、ズバリ、卵巣機能の低下による女性ホルモンのバランス変化です。具体的には、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンの量が減少します。
エストロゲンは前章の通り、女性の体の機能全般を維持する役割を担っています。
エストロゲンの減少は月経周期の変化を起こすことはもとより、他のホルモンとの連携のバランスを崩してしまい、以下のような様々な症状を引き起こします。
プロゲステロンは、子宮内膜の増殖を促し、妊娠をサポートする役割を担っています。プロゲステロンの減少は、月経周期の変化、不正出血などの症状を引き起こします。
主な更年期の症状として、
【体の症状】
・ホットフラッシュ(ほてり、発汗)
・動悸
・めまい
・頭痛
・肩こり
・倦怠感
・不眠
・頻尿
・尿失禁
・便秘
・肌の老化
・高血糖
・脂質代謝異常
・vaginal dryness(膣の乾燥)
・性交痛
【心の症状】
・イライラ
・不安
・集中力の低下
・抑うつ気分
・記憶力低下
などがあります。
お心当たりのある症状はありますか?
4.更年期と東洋医学
東洋医学では、更年期は「腎の衰え」と捉えられます。
腎は、生殖やホルモンバランス、生命エネルギーの貯蔵など、様々な重要な機能を担う臓器です。
閉経前になると、腎の働きが徐々に弱くなり、エストロゲンなどの女性ホルモン分泌量が減少します。
この「腎の衰え」によって、陰陽や気血水のバランスが乱れ、更年期障害と呼ばれる様々な症状が現れると考えられています。
1. 更年期障害の症状と東洋医学における捉え方
【体の症状】
- ホットフラッシュ→腎陰虚による虚熱が上半身に上る
- 動悸・めまい→ 腎陰虚による血虚
- 頭痛→肝陽上亢による頭痛
- 肩こり→瘀血(おけつ)による血行不良
- 倦怠感→腎気虚による気虚
- 不眠→ 腎陰虚による心腎不交
- 頻尿→腎虚による膀胱の機能低下
- 便秘→腎虚による大腸の機能低下
- vaginal dryness(膣乾燥)→腎陰虚による津液不足
- 性交痛→ 腎陰虚による血虚
【心の症状】
- イライラ・不安→ 肝気鬱滞による気滞
- 集中力の低下→脾気虚による気虚
- 抑うつ気分→ 肝鬱血虚による血虚
- 記憶力低下→腎陰虚による精の不足
東洋医学での言葉を使うとこのようなことになるのですが、要するに、前述のとおり、更年期は生命力を蓄えている「腎」の衰えであり、がしかし、それは「腎」だけに及ばず、「肝」にも「脾」にも「心」にも、さらには「肺」にも影響が出て、様々な不調が出てくるようになるということです。(これは陰陽五行説をもとに説明することになります。ややこしく、かつ長くなりますのでこのブログでは端折らせていただきます)
5.症状の対処法
更年期の症状は、放置すると日常生活に支障をきたすこともあります。以下のような対処法がありますので、自分に合った方法を見つけて実践してみましょう。
【生活習慣の改善】
- 規則正しい生活習慣を心がける
- 適度な運動をする
- バランスのとれた食事を摂る(特に、東洋医学的には冷たいものの飲食物はできるだけ避ける、色の黒いもの(黒豆、黒ゴマ、海藻など)を食べるとよいとされる)
- ストレスを溜めない
- 十分な睡眠をとる
- 禁煙する
- 節度ある飲酒をする
- 熱中できる趣味を持つ
- 家族や親しい友人などと時間を共にする
- 自然に触れ合う時間を月に数時間でもよいので持つ
- 入浴はシャワーで済ませずに、湯船につかる
- できるだけ体を冷やさない生活を心がける
【医療機関への相談】
症状が日常生活に支障をきたす場合は、婦人科や内科などの医療機関を受診しましょう。
医師による診断に基づき、ホルモン補充療法(HRT)などの治療法を選択することができます。
更年期は、女性にとって誰しもが経験する自然な過程です。一人で症状に悩まず、上手に付き合っていくことが大切です。
時には同年代の友人などと症状などについてお喋りするのも精神的にはおすすめです。
6.まとめ
誰しもが通るけれど、誰一人として同じパターンがない、更年期についてまとめました。
「更年期症状ってあったっけ?」と、思い出せないくらいに、ほぼ無症状で終えられた人もいれば、精神的にも肉体的にも辛くて辛くて仕方がない・・・といわれる方もあるように、本当に個人差があるのが更年期の症状だといえます。
私自身は現在満60歳ですが、更年期はどうだったかと訊かれると、大変だったような、それほどでもなかったような・・・・
今思えば、40歳くらいには女性ホルモンの揺らぎのために、イライラなどの精神的な症状が出ていたような気もしますし、ホットフラッシュ(急にガーーっと汗が出て暑くなること)は今現在でも、毎日のように起こります。
余談ですが、途中、バセドウ病というものにも罹患しました。(更年期による発汗だと思っていたら、実は病気によるものでした。古いブログにそのあたりのことを書いておりますので、よろしければそちらもご覧いただければと思います➡https://kokiayobaablog.com/basedoubyou1/)
今思えば、ひょっとしたら、この病気も女性ホルモンの減少が他の部分にも影響した結果だったのかもわかりません。
プレ更年期を言われる40歳過ぎにはパニック発作も起こしました。
これも過剰なストレスのせいだと思っていましたが、今思えば、女性ホルモンの揺らぎも相まってのことだったかもわかりません。
(幸いなことに、どちらも酷くなることなく数年で改善しました。)
このように病気こそしましたが、40歳から60歳までずっと調子が悪い日が続いていたのかといえば、そうでもありません。調子がすこぶる悪い日もあれば、絶好調の日もありました。今でもそうです。
かつての上司が更年期のことを、毎月のお小遣いに例えていました。
「毎月お小遣いを3万円使っていた人が、いきなり0になると、それはキツイだろうけれど、毎月少しづつ、少しづつ減っていけば、それに慣れて、それなりに暮らせるようになるものだ!」
当時若かった私は、そんなものかなあ~と聞いていましたが、今になれば、言いえて妙!! なるほどなぁ~~~と感心します。
といいますか、今この年になるまで、ひょっとしたら、私の記憶の奥底でこの言葉が生きていて、知らず知らずのうちに、更年期に向かっての心構えができていたのかもしれません。
が、しかし。
思えば、女性にとって重要な役割をしていた女性ホルモンが無くなってしまった代わりに、他の多くのものが頑張ってくれていることには間違いないと思います。
減っていく女性ホルモンのことを嘆き悲しむより、無くなったものをカバーしようと頑張ってくれている今の自分の体を労わり、慈しむほうが、肉体的にも精神的にも、ずいぶんと楽になるように思います。(・・・最後は精神論?)
ただし、身体のすべての不調を更年期のせいと考えてしまうと、私のように他の病気が隠れていることがあります。
あまりにも不調が酷かったり、長引く場合は一度、医療機関にかかられることをおすすめします。
最後に、こきあ相談薬店では、おひとりお一人のお話をじっくりお聞きし、その方に合った生活や食事の養生の仕方、漢方薬、漢方食品などのご提案をさせていただいています。
更年期前も更年期後も、現在更年期真っ最中の方も、元気はつらつと、やりたいことが思うように出来る充実した毎日を取り戻しませんか?
こきあ相談薬店 薬剤師 芳田里美
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