「ここ最近、体調がいつもと違う・・・」、「なんだかしんどい」、「もうすでにゲッソリ」・・・そんな方はおられませんか?
「熱中症」と聞くと、夏の日差しが照りつける真夏になることを想像しがちですが、実は梅雨の時期にも注意が必要な「梅雨型熱中症」があります。
このタイプの熱中症は、真夏とは異なるメカニズムで体に負担をかけるため、その特徴を知り、適切な対策を講じることが重要です。
このブログが、あなたご自身で梅雨の暑さと湿気と冷えを上手にコントロールして、さらには「梅雨型熱中症」予防に役立つことを願っています。

目次
梅雨型熱中症の主な原因とそのメカニズム
梅雨型熱中症は、主に以下の梅雨特有の気候条件と、それに対する体の反応が複雑に絡み合って発生します。
- 高湿度 :梅雨時期は、雨が多いため空気が大量の水蒸気を含み、湿度が非常に高くなります。
通常、私たちの体は汗をかき、その汗が蒸発することにより、体から熱を奪うことで体温を下げています(気化熱)。
しかし、湿度が高い環境では、汗が蒸発しにくくなります。
これにより、体から熱を効率的に放散できなくなり、体内に熱がこもりやすくなります。
まるで、サウナの中にいるような状態を想像していただけると分かりやすいと思います。 - 急激な気温の変化(寒暖差):梅雨の時期は、雨の日と晴れの日が交互に訪れ、日によって気温が大きく変動することがあります。特に、雨上がりの晴れ間など、急に気温が上昇する日があります。
私たちの体は、暑さに対する順応(暑熱順化)に10日~2週間ほどがかかります。まだ体が本格的な夏の暑さに慣れていない段階で急な気温上昇があると、体温調節機能がうまく働かず、熱中症になりやすくなります。 - 水分・塩分バランスの崩壊: また、急激な気温上昇に伴い体温を下げるために汗をかき続けると、体内の水分と塩分(電解質)が失われます。湿度が高いため、思った以上に汗をかいていることに気づきにくい場合もあります。失われた水分や塩分を適切に補給しないと、血液の量が減少し、循環器系に負担がかかります。
- 脱水症状の進行: さらには水分補給が不十分なまま体内の水分が失われ続けると、脱水症状が進行します。脱水は、めまい、頭痛、吐き気などの熱中症の初期症状を引き起こし、重症化すると意識障害や臓器不全に至ることもあります。
- 体のだるさ・自律神経の乱れ :梅雨時期は、気圧の変動が大きくなる傾向があります。この気圧の変化は、私たちの自律神経に影響を与えることがあります。
自律神経は、体温調節や消化、心拍など、体の様々な機能をコントロールしています。高温多湿の環境下で体温やその他の機能を一定に保とうとすると、自律神経がフル稼働することになります。
気圧の変化によって自律神経が乱れると、だるさや倦怠感を感じやすくなったり、睡眠の質が低下したりすることがあります。
このような体の不調は、体力の低下を招き、熱中症への抵抗力を弱めてしまいます。
これに、寝苦しさからの睡眠不足や、疲労などが重なると、この自律神経が疲弊し、体温調節機能がさらに低下します。 - 発汗量の低下(体が暑さに慣れていないため):まだ体が本格的な暑さに慣れていない時期は、汗腺の機能が十分に活発ではありません。そのため、効率的に汗をかくことができず、体温を下げる能力が低い状態にあります。これにより、体の深部体温(体の中心部の温度)が上昇し始め、熱中症になる危険性が高くなります。
- マスク着用による影響 :最近はマスクを着用しておられる方は少なくなってきましたが、それでも時折お見掛けします。マスクを着用すると、顔周りの通気性が悪くなり、呼気による湿気がマスク内にこもります。これにより、マスク内の温度と湿度が上昇し、熱が逃げにくくなるため、熱中症のリスクを高めます。
このように、梅雨型熱中症は、単に気温が高いから起こるのではなく、湿度、体の順応度、そして自律神経の状態といった複数の要因が絡み合って発生する、より複雑な熱中症と言えます。
真夏日には達しなくても、体にとっては十分な負荷がかかっていることを理解し、日ごろからの予防が非常に大切になります。
梅雨型熱中症の具体的な症状と危険性:気づきにくいサインと命に関わるリスク
梅雨型熱中症は、真夏の熱中症と同じ様に、体の様々な機能に影響を及ぼし、放置すると命に関わる危険性があります。
特に梅雨型は、じわじわと症状が進むこともあり、初期症状を見逃さないことが重要になります。
梅雨型熱中症の具体的な症状
熱中症の症状は、その重症度によって大きく3段階に分けられます。梅雨型熱中症も例外ではありませんが、特に湿度が高く、体が暑さに慣れていないことで、比較的軽い症状から始まることが多いのが特徴です。
Ⅰ度(軽度):初期のサインを見逃さないで!
体が暑さに対応しきれなくなり始めたサインです。この段階で気づき、適切に対処すれば、回復は早いです。
- めまい、立ちくらみ: 脳への血流が一時的に不足することで起こります。急に立ち上がった時にクラっとしたり、目の前が真っ暗になったりします。
- 手足のしびれ、こむら返り: 大量の発汗により、体内のナトリウムなどの電解質が失われることで、筋肉の収縮・弛緩がうまくいかなくなり起こります。
- 筋肉痛: 軽度の脱水や電解質の不均衡により、筋肉に負荷がかかりやすくなります。
- 体のだるさ、倦怠感: 全身が鉛のように重く感じたり、何もする気力が湧かなかったりします。体が熱をうまく放散できずに、自律神経に負担がかかり疲労が蓄積している状態です。
- 吐き気、食欲不振: 胃腸の血流が減少し、機能が低下することで起こります。ムカムカしたり、食べ物を受け付けなくなったりします。
- 顔のほてり、発汗過多または無汗:
- 発汗過多: 体が必死に体温を下げようと、大量の汗をかきます。しかし、湿度が高いため、汗が蒸発せず、肌がべたつく感じがします。
- 無汗: 逆に、脱水がかなり進んで汗をかけなくなるケースもあります。皮膚が乾燥しているのに体温が高い場合は非常に危険な兆候です。
- 軽い頭痛: 血管の拡張や脱水による脳への影響で起こります。
- 集中力の低下、ボーっとする: 脳の機能が低下し、注意散漫になったり、思考力が鈍ったりします。
Ⅱ度(中度):医療機関への受診を検討!
この段階になると、体の機能に明らかな障害が出始めています。自力での回復が難しい場合が多く、医療機関の受診を検討する必要があります。
- 激しい頭痛: Ⅰ度よりも痛みが強くなり、ズキズキと脈打つような痛みを感じることがあります。
- 吐き気、嘔吐: 胃腸の不調がさらに進み、実際に吐いてしまうことがあります。
- 体がだるくて動けない: 倦怠感が非常に強くなり、立ち上がったり歩いたりするのが困難になります。
- 意識がはっきりしない(呼びかけに応じない): 脳の機能が低下し、意識レベルが低下し始めます。「あれ?」「おかしいな?」と感じたら危険なサインです。
- ぼんやりする、反応が鈍い: 会話をしていても、呂律が回らなかったり、質問への返答が遅れたりします。
- 体温の上昇: 脇の下で測る体温が38℃以上になることがあります。体の中心部の温度(深部体温)はさらに高い可能性があります。
Ⅲ度(重度):命に関わる緊急事態!直ちに救急車を呼ぶ!
この段階は、命に関わる非常に危険な状態です。一刻も早く医療処置が必要です。
- 意識障害:
- 呼びかけに反応しない: 名前を呼んでも、体を揺すっても反応しない状態です。
- けいれん: 体がガクガクと震えたり、硬直したりします。脳への血流不足や電解質異常が原因です。
- 手足の麻痺: 脳機能の低下により、手足に力が入らなくなったり、動かせなくなったりします。
- 高体温: 体温が40℃を超えることもあります。これは臓器にダメージを与える非常に危険な体温です。
- 異常な呼吸: 呼吸が速く浅くなったり、逆に遅く不規則になったりします。
- ショック症状: 顔面蒼白、脈が速いのに弱くなる、皮膚が冷たく湿っぽくなるなど、全身の循環機能が破綻寸前の状態です。
- 多臓器不全: 脳、腎臓、肝臓など、複数の臓器が機能不全に陥り、生命維持が困難になります。
熱中症の症状の早期発見・早期対応が命を守る!
梅雨型熱中症は、ジメジメとした不快感と体の不調が複合的に現れるため、「単なるだるさ」「梅雨バテかな」と自己判断してしまいがちです。しかし、その裏には命に関わる危険性が潜んでいます。
- 「いつもと違う」と感じたら要注意。
- 特に、湿度が高く、体が慣れていない時期の急な気温上昇には警戒を。
- 水分補給はこまめに、喉の渇きを感じる前に。
- だるさ、頭痛、吐き気などの症状が見られたら、すぐに涼しい場所へ移動し、体を冷やし、水分と塩分を補給しましょう。
- 症状が悪化するようであれば、迷わず医療機関を受診するか、救急車を呼んでください。
自身の体調の変化に敏感になり、周囲の人にも気を配ることで、梅雨型熱中症の危険から身を守ることができます。
家庭でできる予防策と緊急時の対処法
梅雨の時期は、自宅にいても熱中症になるリスクがあります。特に、高齢者や小さなお子さん、持病をお持ちの方、あるいは在宅勤務などで長時間自宅で過ごす方は注意が必要です。ここでは、家庭でできる予防策と、万が一の際の応急処置について詳しくご紹介します。
家庭でできる梅雨型熱中症の予防策
梅雨型熱中症は、真夏のような猛暑日でなくても発生するため、「まだ大丈夫」と油断せずに、日頃から意識的に予防策を取り入れることが重要です。
1. 室内の温度・湿度管理を徹底する
これが梅雨型熱中症予防の最も重要なポイントです。
- エアコンや除湿機を積極的に活用する:
- 除湿: 梅雨型熱中症の原因は「高湿度」にあります。エアコンの「除湿モード」や除湿機を積極的に使い、室内の湿度を50~60%程度に保つようにしましょう。湿度が下がると体感温度も下がり、汗が蒸発しやすくなります。
- 冷房: 外気温が高い日は、冷房も適切に活用しましょう。無理に我慢せず、室温が28℃を超えないように調整するのが目安です。ただし、冷やしすぎは体調を崩す原因になるので注意が必要です。
- 扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる:
- エアコンと併用することで、冷たい空気を効率よく部屋全体に循環させ、体感温度を下げることができます。
- 直接体に風を当てることで、汗の蒸発を促し、涼しさを感じられます。
- 換気をこまめに行う:
- 室内にこもった湿気や熱気を外に出すため、定期的に窓を開けて換気をしましょう。対角にある窓を2箇所開けると、より効率的に換気ができます。雨の日で窓を開けられない場合は、換気扇を回したり、エアコンの換気機能を利用したりしましょう。
- 日中の日差しを遮る:
- カーテンやブラインドを閉めて、窓から差し込む日差しを遮ることで、室温の上昇を抑えられます。遮光カーテンも効果的です。
2. こまめな水分・塩分補給
「喉が渇いた」と感じた時には、すでに脱水が始まっています。喉が渇く前に意識的に水分補給をしましょう。
- 水やお茶をこまめに飲む:
- 一度に大量に飲むのではなく、コップ1杯(150~200ml)程度を1~2時間おきに摂るのが理想です。
- 寝る前や起床時、入浴前後など、汗をかきやすいタイミングでの補給は特に重要です。
- 経口補水液やスポーツドリンクを活用する:
- 大量に汗をかいた時や、だるさなどの症状がある場合は、水分と一緒に失われた塩分やミネラルを補給できる経口補水液やスポーツドリンクが効果的です。ただし、スポーツドリンクは糖分が多いものもあるので、飲みすぎには注意しましょう。
- 食事から塩分を摂る:
- 梅干し、味噌汁、漬物など、適度に塩分を含む食品を食事に取り入れるのも良いでしょう。
- カフェインやアルコールの摂取を控える:
- これらには利尿作用があり、かえって脱水を促進してしまう可能性があります。
- 大麦若葉+クエン酸:こきあ相談薬店では大麦若葉とクエン酸を水に溶いたものを1日かけて少しずつと飲んでいただくことをおすすめしています。失われたビタミン・ミネラルの補給ができますし、クエン酸により疲労回復の効果も期待できます。何よりも腸内環境を整えることができます。
3. 暑熱順化(体を暑さに慣らす)を意識する
梅雨時期は体がまだ暑さに慣れていないため、熱中症になりやすい状態です。徐々に体を暑さに慣らしていく「暑熱順化」を意識しましょう。
- 適度な運動を取り入れる:
- ウォーキングや軽いジョギングなど、少し汗ばむ程度の運動を20~30分程度、週に数回行いましょう。
- ただし、無理は禁物です。体調に合わせて行い、水分補給を忘れずに。
- 入浴で体を温める:
- シャワーだけでなく、湯船に浸かって体を温めることで、汗腺の機能を高め、汗をかきやすい体質に改善する効果が期待できます。ぬるめのお湯にゆっくり浸かるのがおすすめです。
- こきあ相談薬店では入浴時に入浴剤をおすすめしています。こきあ相談薬店が取り扱っております入浴剤は短時間で身体を温めてくれる効果が実証された入浴剤ですので、短時間で発汗効果が得られます。
4. 生活習慣を整える
体の抵抗力を高めることが、熱中症予防の基本です。
- 十分な睡眠をとる:
- 睡眠不足は体力を低下させ、自律神経のバランスを崩しやすくなります。質の良い睡眠を確保しましょう。
- バランスの取れた食事:
- ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜や果物を積極的に摂り、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
- 夏野菜には体を冷やす効果があるものも多いのでおすすめです。
- 疲労をためない:
- 無理のないスケジュールで活動し、適度な休憩を挟むようにしましょう。東洋医学的にも、ゆったりのんびり過ごすことがな夏の養生法です。
5. 服装の工夫
- 通気性・吸湿性・速乾性の良い素材を選ぶ:
- 綿や麻、機能性素材など、汗を吸い取りやすく、乾きやすい素材の服を選びましょう。
- 締め付けの少ないゆったりとした服装がおすすめです。
- 明るい色の服を選ぶ:
- 熱を吸収しにくい白や淡い色の服は、直射日光の下での体温上昇を抑える効果があります。
- 数分程度であれば白い服、20分以上であれば赤やピンクの色の方が涼しいという結果が国立環境研究所の実験などででています。ぜひ参考にしてみてください。
6. マスク着用の工夫
- 人との距離が確保できる場所ではマスクを外す:
- 屋外で人と十分な距離が保てる場合は、マスクを外すことで熱中症のリスクを軽減できます。
- 通気性の良いマスクを選ぶ:
- 夏用の冷感マスクや、通気性の良い素材のマスクを活用しましょう。
- マスク内の湿気をこまめに取る:
- 汗をかいたらマスクを取り換えたり、ハンカチで拭いたりして、マスク内の湿度上昇を防ぎましょう。
梅雨型熱中症の応急処置と対処法
万が一、熱中症の症状が出てしまった場合の家庭での対処法です。症状の重症度に応じて、冷静に対応しましょう。
軽度(Ⅰ度)の症状の場合(めまい、立ちくらみ、軽い頭痛、だるさなど)
- 涼しい場所へ移動:
- エアコンが効いた室内や、風通しの良い日陰など、涼しい場所に移動させましょう。
- できれば横になり、安静にさせます。
- 体を冷やす:
- 衣類を緩め、体から熱を放散させやすくします。
- 冷たいタオルや保冷剤(氷のうなど)を首の付け根、脇の下、足の付け根(太い血管が通っている場所)に当てて冷やします。皮膚に直接当てると凍傷の恐れがあるため、タオルなどで包んで使用しましょう。
- 濡らしたタオルで体を拭き、扇風機やうちわで風を送るのも効果的です(気化熱で体温を下げる)。
- 水分・塩分を補給:
- 意識がはっきりしていれば、経口補水液やスポーツドリンクを少しずつ飲ませます。
- ない場合は、水に少量の塩(一つまみ程度)を溶かしたものや、塩飴でも代用できます。
- 一気に飲ませず、ゆっくりと飲ませましょう。吐き気がある場合は無理に飲ませないでください。
- 経過観察:
- 水分補給と冷却を行い、しばらく安静にして様子を見ます。症状が改善しない場合や、悪化する場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
中度(Ⅱ度)以上の症状の場合(激しい頭痛、吐き気・嘔吐、意識がはっきりしない、体温が高いなど)
迷わず救急車を呼びましょう!
救急車が来るまでの間も、以下の応急処置を継続してください。
- 涼しい場所へ移動させ、衣類を緩める。
- 体を冷やす(首、脇、足の付け根などを重点的に)。
- 意識がない場合や、呼びかけに反応しない場合は、決して無理に水分を飲ませないでください。 誤嚥の危険があります。
- 吐き気がある場合も、無理に飲ませない。
- 吐いている場合は、吐物が喉に詰まらないよう、顔を横に向かせる。
- 体温が高い場合は、保冷剤や濡れタオルで積極的に全身を冷やし続ける。
特に注意が必要な方々
- 高齢者: 暑さや喉の渇きを感じにくい、体温調節機能が低下している、持病があるなどの理由で熱中症になりやすく、重症化しやすいです。周囲が声かけや見守りを積極的に行いましょう。
- 乳幼児: 体温調節機能が未熟で、自分で水分補給ができないため、大人以上に注意が必要です。ベビーカーの地面からの照り返し熱にも注意しましょう。
- 持病のある方: 糖尿病、高血圧、心臓病、腎臓病、精神疾患などをお持ちの方は、熱中症になりやすく、持病が悪化するリスクもあります。かかりつけ医と相談し、熱中症対策についてアドバイスを受けましょう。
梅雨型熱中症は、予防が何よりも大切です。日頃から意識して対策を取り入れ、万が一の事態にも冷静に対応できるよう対処法を知っておられるといざという時に慌てません。
梅雨型熱中症対策:心と体に優しい水分補給術とおすすめグッズ
梅雨の時期は、高い湿度と気圧の変化で、体がだるく、胃腸の調子を崩しやすい方も多いのではないでしょうか。西洋医学的な水分・電解質補給はもちろん重要ですが、東洋医学では、単に水分を補うだけでなく、「体の巡りを良くする」「湿気を取り除く」といった視点も重視します。ここでは、それぞれの視点から、効果的な水分補給方法とおすすめグッズをご紹介します。
1. 水分補給の基本と選び方(共通)
まずは、東洋医学・西洋医学問わず共通の基本的な水分補給のポイントです。
- 喉が渇く前にこまめに: 「喉が渇いた」と感じた時には、すでに脱水が始まっています。コップ1杯(150~200ml)程度を1~2時間おきに、意識的に摂るようにしましょう。
- 常温またはぬるめの温度で: 冷たすぎる飲み物は、胃腸に負担をかけやすく、体の冷えを招くことがあります。特に梅雨時は体が冷えやすいので、常温からぬるめの温度がおすすめです。
また、冷たい物はのど越しがよく、ごくごくと大量に摂りがちになります。このような点からも室温以上の物を摂ることをおすすめします。 - カフェイン・アルコールは控えめに: 利尿作用があり、かえって脱水を促進する可能性があります。
2. 東洋医学的見地からの水分補給アドバイス
東洋医学では、梅雨の湿気を「湿邪(しつじゃ)」と捉え、体が湿気の影響を受けて「水滞(すいたい)」の状態になることを問題視します。水滞とは、体内の水分代謝が悪くなり、余分な水分が滞留している状態のこと。これにより、体が重だるく感じたり、むくみ、食欲不振、下痢などの症状が出やすくなります。
この「湿邪」を取り除き、「水滞」を改善する視点から、以下の水分補給を意識しましょう。
2-1. おすすめの飲み物
- ハトムギ茶:
- 「健脾利湿(けんぴりしつ)」の作用があり、脾(消化吸収・水分代謝を司る臓器)の働きを健やかにし、体内の余分な湿を取り除く効果が期待できます。むくみや肌荒れの改善にも良いとされます。
- ノンカフェインで、日常的に飲みやすいです。香ばしい風味もリラックス効果があります。
- 小豆茶:
- 「利水消腫(りすいしょうしゅ)」の作用があり、体内の余分な水分を排出し、むくみを改善するのに役立ちます。
- 独特の風味がありますが、ノンカフェインでミネラルも豊富です。
- とうもろこしのひげ茶:
- 非常に強い利尿作用があり、体内の余分な水分を排出するのに優れています。「湿」によるむくみやだるさに効果的です。
- カフェインフリーで、香ばしく飲みやすいです。韓国などでは日常的に飲まれています。
- 生姜湯・生姜紅茶:
- 「温中散寒(おんちゅうさんかん)」の作用があり、体を温め、発汗を促すことで、体内の湿気を外に出す助けになります。胃腸の冷えや吐き気にも良いとされます。
- 冷えを感じやすい方におすすめ。ただし、熱中症で体温が上がりすぎている時には避けてください。
- レモン水(少量):
- 酸味は「収斂(しゅうれん)」の作用がある一方で、少量であれば胃腸の働きを助け、食欲不振の改善にも役立ちます。また、レモンの香りは気の巡りを良くし、気分をリフレッシュさせる効果も期待できます。
- 水にレモンスライスや少量の果汁を加える程度で、胃腸への負担を抑えましょう。
- また、レモン水にハチミツを入れると体内の潤い保持の効果も出ます。(酸甘化陰)
- 梅昆布茶:
- 梅は「生津(しょうしん)」作用があり、体液を生み出し、渇きを潤す助けになります。昆布はミネラルが豊富で、微量の塩分補給にもなります。
- 食欲がない時にも飲みやすく、胃腸に優しいです。
- タンポポ茶ショウキT1:こきあ相談薬店では、余分な水分は排泄し必要な水分はきちんと保持してくれるという、利水効果を持つタンポポ茶 ショウキT1 や前述の大麦若葉+クエン酸、体の乾燥を防ぐ燕の巣エキスをおすすめしています。
2-2. 避けるべき飲み物
- 冷たすぎる飲み物: 胃腸に負担をかけ、「脾(消化器系)」の機能を低下させ、かえって湿を溜め込みやすくなります。
- 甘すぎる飲み物: 東洋医学では、甘味の摂りすぎは「湿」を増やしやすいと考えます。清涼飲料水や甘いジュースは控えめにしましょう。
- 乳製品(体質による): 体質によっては、乳製品が湿を増やしやすいと考える場合もあります。梅雨時期に胃腸の不調を感じやすい方は、一時的に控えてみるのも良いでしょう。
3. 西洋医学的視点からの水分補給とおすすめグッズ
失われた水分と電解質を効率的に補給することが重要です。
3-1. おすすめの飲み物
- 経口補水液:
- 特徴: 水分と電解質(ナトリウム、カリウムなど)が、体液に近い浸透圧でバランス良く配合されており、効率的に体内に吸収されます。
- 活用場面: 大量に汗をかいた後、だるさやめまいなど熱中症の初期症状が出た時、下痢や嘔吐で脱水が進んでいる時。
- ポイント: スポーツドリンクより電解質濃度が高く、糖分が控えめです。
- スポーツドリンク:
- 特徴: 経口補水液よりも糖分が多く、エネルギー補給も兼ねています。電解質も含まれていますが、糖分が多いので飲みすぎには注意が必要です。
- 活用場面: 軽い運動後や、日常の水分補給として。
- ポイント: 水で少し薄めて飲むのも良いでしょう。
- ミネラルウォーター:
- 特徴: 不純物が少なく、水分補給の基本です。
- 活用場面: 日常的な水分補給として。ただし、電解質はあまり含まれないため、汗を大量にかく場合は、塩分補給も別途行いましょう。
- 麦茶:
- 特徴: ノンカフェインで、ミネラル(カリウムなど)も含まれており、古くから夏の水分補給として親しまれています。
- 活用場面: 日常の水分補給として。
3-2. おすすめグッズ
- マイボトル・水筒:
- メリット: こまめな水分補給の習慣化につながります。冷たすぎない常温の飲み物や、上記で紹介したお茶などを入れて持ち運べば、いつでも手軽に飲めます。
- 選び方: 容量、保温・保冷機能、洗いやすさなどを考慮して選びましょう。
- タブレット型・粉末の経口補水液・スポーツドリンク:
- メリット: 持ち運びやすく、必要な時に水に溶かすだけで手軽に作れます。買い置きしておくと便利です。
- 活用場面: 外出先や職場での急な発汗時、常備薬のように携帯しておくと安心です。
- 塩飴・塩タブレット:
- メリット: 汗で失われる塩分を手軽に補給できます。
- 活用場面: スポーツ時や、外出先で食事から塩分を摂りにくい時に。
- ポイント: 糖分も含まれているので、摂りすぎには注意しましょう。
- 電気ケトル:
- メリット: 飲みたい時にすぐに温かいお茶や白湯を作れます。冷たい飲み物を避けたい時に便利です。
4. 食事からの水分・塩分・栄養補給
水分補給は飲み物からだけではありません。食事からも積極的に摂りましょう。
- 夏野菜・果物: きゅうり、トマト、ナス、冬瓜、スイカなど、体を冷やし、水分を豊富に含む旬の野菜や果物を積極的に摂りましょう。
- これらの野菜や果物には「清熱(せいねつ)」作用があり、体内の余分な熱を冷ます効果が期待できます。
- 汁物: 味噌汁やスープは、水分と同時に塩分や出汁の栄養も摂れるため、効率の良い水分補給源となります。
- 適度な塩分: 意識的に塩分を摂ることで、水分を体内に保持しやすくなります。梅干し、漬物、塩昆布なども良いでしょう。
- キパワーソルト:こきあ相談薬店では天日塩を2種類取り扱っています。人の体液のミネラル組成は海水のミネラル組成と近いといいます。汗で失われたミネラル補給には天日塩を摂ることで効率的に取り戻せます。
とくにキパワーソルトは天日塩をさらに高温で焼成した塩で還元力を持ち合わせていますので身体をさびにくくしてくれます。
常日頃から海水から出来た天然塩を日常生活に取り入れられることをおすすめしています。
梅雨型熱中症対策としての水分補給は、単に量を飲むだけでなく、「何を」「どのように」「いつ」飲むかが重要です。特に東洋医学的な養生法を取り入れることで、体質や体調に合わせたよりきめ細やかなケアが可能になります。
- 体を冷やしすぎず、温湿布を取り除くような飲み物を選ぶ。
- 喉が渇く前に、こまめに補給する。
- 電解質補給も忘れずに。
決して無理はせず、ご自身の体調と相談しながら、梅雨の時期を健やかに乗り切りましょう。
冷房・湿による冷えとの攻防戦?!の始まりでもある
ジメジメは精神的にイライラしますし、今まで述べてきたように体にも負担をかけてしまします。快適な環境に身を置くことは精神的にも肉体的にも非常に有益です。
我が家も年々冷房が稼働する時間が長くなってきているように感じています。
しかし、快適ではあるものの、同時に、私の場合は「冷え」との攻防?になってきます。
夏の冷え対策については過去のブログ、また夏の冷え対策グッズのブログは後日アップの予定です。よろしければそちらもご覧ください。
梅雨の暑さと湿気と冷えを上手にコントロールして、「梅雨型熱中症」には十分気をつけてお過ごしになってくださいね。
根本から治していくために
こきあ相談薬店ではお越しいただいた際に、お客様の生活スタイルや食事の摂り方などを詳しくお聞きし、それぞれお一人お一人に適した漢方薬、漢方食品、サプリメントなどをご提案すると同時に、その方に合った生活や食事の養生法をお伝えしています。
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