年をとると基礎代謝が落ちる？の嘘

こんにちは。

こきあ相談薬店の薬剤師　芳田です。

本日もご訪問いただきましてありがとうございます。

さて。

先日、こきあ相談薬店の近くにある、国立研究開発法人　医薬基盤・健康・栄養研究所という所で「健康で長生きするための科学的なヒント」～筋肉とおなかの健康のための生活習慣について～と題したミニセミナーがありましたので参加してきました。

現在進行形で研究が進んでいる消化吸収と腸内細菌叢の関連性や、健康寿命を維持するための筋肉量の維持の仕方について短い時間でしたが、目からうろこの情報を教えていただきましたので、本日はそれを共有したいと思います。

まず、世間でまことしやかに言われている、「年を取ると基礎代謝がおちて太りやすくなる」情報について。

実はこのお話を聞くまで私もそう思っていました。

ところが最近の研究（でもないか。Wang et al.Am J Clin Nutr.2010年発表）では若年期から壮年期にかけてさほど基礎代謝量は変わらないことがわかっているそうです。

肝臓、脳、心臓、腎臓、骨格筋、脂肪組織、その他の臓器・器官別のエネルギー消費量は51～73歳は21～30歳のそれと比べわずか3～4％しか減っていないとのデータで、これはわずかな差であるとのことでした。

イメージ的には、我々の年代（60歳くらい）になると若い頃の7割くらいに基礎代謝は落ちているイメージでしたので、んなら何で太るねん？！と速攻で素朴な疑問が浮かんでしまいました。

また、もう一つ、まことしやかに言われている、「筋肉量が増えると代謝がアップする」情報。

これもまた、各臓器別のエネルギー消費量を比べた場合、心臓や腎臓が440ｋcal/kg/day、脳や肝臓が200～240kcal/kg/day　であるのに対し、筋肉はたったの13kcal/kg/day　にしかすぎないというデータがありました。（Wang et al.Am J Clin Nutr.2010)

つまり、例えば体に２０㎏の筋肉量がある人でも１日に筋肉で消費するエネルギーは260ｋcal/kg/dayで、例えば筋肉を2㎏増やしたところで、1日に増えるカロリー消費量は26ｋcalしかなく、これは4～5分歩く程度のカロリー消費量に相当するだけなのだそうです。

筋肉量を維持することは大切だけれど、むきになって筋肉を増やしても、「痩せる」ことにはさほど、というか、ほぼ、繋がらないようです。

「・・マジ？？？？！！！・・・ワタシ　サイキン　キントレ　ハジメタノニ・・・」

なら、どうして中年になったら太ってくるの？？？

それは、若い頃に比べると、日々少しずつ食べ過ぎているから。といっても、ご飯粒でいうとわずか200粒、サラダ油小さじ1杯程度の15ｋcalくらいを食べ過ぎているからであることが研究によってわかっています。（Hill et al.,Science299（5608）：853‐5．2003）

ちりも積もれば山となる・・・・・の典型ということですね・・・💦💦💦

ところが、同じものを食べても太る人と太らない人がいるし、年をとっても太らない人がいるのはなぜか？！

それを研究されているのが、まさしくこのセミナーを開催された国立健康・栄養研究所です。

私たちも日ごろ、消化吸収、消化吸収とよく話題にしますが、実際には口にした食物がどれくらい吸収されているのか？個人差はどれくらいあるのか？どんなことが変動要因なのか？などなどよくわかっていないのが現実です。

研究結果の一つで印象的だったのが、若年男女15名を対象にした実験では、摂取カロリーの10～14.8％（2500ｋcalを摂取した場合250‐370ｋcal）を糞便と尿から排泄しているという結果が出ている！！ということでした。

自分が出したものにもカロリーがあるんや？！？！（ま、冷静に考えるとわかりそうなものですが、そもそもそのようなことを考えたこともありませんでした）

実は上記の250‐370の120ｋcalの差が曲者で、120ｋcalというと、5枚切り食パン約半分、ご飯だと子供のお茶碗１杯分くらいに相当し、これが仮に１年間体に蓄積すると脂肪約６Kgに相当してしまうのだそうなんです。

要するに、同じものを食べてもたくさん排泄する人は太らないし、排泄量が少ない人は太ってしまうということですね。

ならば、どうしてそのような差ができてしまうのか？

それが、食事の量と内容と腸内細菌叢とが密接に関連してしているということが研究によりわかってきているそうです。

ということで、お話が長くなりますので次回に続きます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

✿❀こきあ相談薬店の基本情報❀✿

住所：〒564-0011　大阪府吹田市岸部南１丁目25-15
電話番号：06-7897-7116
FAX番号：06-7897-7116
メールアドレス：kochia.yakuten@gmail.com

営業時間：月・火・木・金→9：30～18：30
　　　　　水・土→9：30～13：30
　　　　　日・祝→お休み

ホームページ：