台風と体調

こんにちは。こきあ相談薬店、薬剤師 芳田です。

本日もご訪問いただきましてありがとうございます。

今年は8月半ばあたりから毎日のように台風が発生したかと思えば、22日に発生した台風10号はなかなか進路が定まらず1週間弱を南の海上で停滞後、本日29日の午前に勢力が強いまま鹿児島に上陸、さらに動きが遅くなり今なお北へ進んでいるようです。

各地で風や大雨の被害が出ているようです。被害にあわれた皆様にはお見舞い申し上げます。

そしてこれから台風の進路に当たっている地域の皆様は、備えを万全の上、何をおいてもまず、身の安全を第一にお過ごしください。

さて。

台風といえば、強風、大雨がまず思い浮かびます。台風一過という言葉があるように、わずか数時間のうちに、ガーーーっとやってきては、ガーーーっと去っていくイメージがあります。(今回の台風はほぼ同じところにずっと居座っていますが・・・)

その間、強風で海は大荒れ、陸では木々がなぎ倒されんばかり。一月分の雨がわずか数時間で降ってしまう地域も、最近では珍しくありません。

そのような激しい気象の変化が、はたして体に何の影響も及ぼさないものでしょうか。

そんな訳がありません。

自然の一部である人間にも大きな影響を与えて過ぎ去っていくようです。

「いえいえ、全然大丈夫!!」「台風の影響?そんなこと感じたことないよ!」もちろんそのように言われる方も多いと思います。

しかし、一方で、台風がやってくる前から頭痛や関節痛がしたり、めまいが起こる人、体が浮腫む人も少なからずおられます。

私が知っている中では、帯状疱疹の痛みが台風の進行とともに次々と場所や強さを変え、やがて、台風とともに痛みも消えていったという方がおられました。

では、そのように台風の影響を全く受けない人と、影響を受けて体調が悪くなってしまう人の差は・・・?

一言でいうと、個人個人の体力?!適応力?!緩衝力?!によるものだと思います。(私はこの緩衝力という言葉が一番しっくりきます)

東洋医学的な言い方をすれば、陰陽のバランスが取れ、気血水が過不足なく充実し、木火土金水の巡りが良い体が緩衝力のある体・・・とでもなりますでしょうか。

よって、普段から不摂生な生活や乱れた食生活、ストレス過多の生活、そして加齢などでこの緩衝力が弱っている人ほど、台風のような急激な気象の変化をもろに影響をう受けてしまい、自分の弱いところに不調が出でしまうと考えられます。(台風のみならず低気圧などのちょっとした気圧の変化においても同様)

もし、台風や低気圧の通過で体調が悪くなるという自覚がある方は、普段の生活をかえりみて、自分の生活に足りないことや物、反対に過剰なことや物をピックアップし、多いものは減らし、少ないものは足していくということ(=すなわちこれが養生)をすれば、緩衝力が増すのではないでしょうか。

と、抽象的なお話になりましたが、最後に。

台風というものは、湿気(=雨)と強風を伴う、自然界の大きなエネルギーの通過です。

特に関係があるのが、「湿」と「風」そして「気」。臓器でいうと、「脾」「肺」「腎」。

これらに関連することが不調としてよく現れます。めまいや浮腫み、湿による痛み。痰が出たり胸が苦しくなったり、急激に体調が変化したり。気分の変調が激しかったり、倦怠感が出たり・・・etc

このような時には、まず、台風を安全な場所でじっとしてやり過ごすのが一番のように、ゆったり過ごすことが大切です。

そして、体が冷えるような冷たいものを食べたり飲んだりはせず、温かい消化のよい物を摂り、下半身を冷やさないように靴下や腹巻をしたり、お風呂にゆっくりつかったりして過ごしてくださいね。

中には根こそぎ倒れてしまっている木も見かけますが・・・(悲)、土の下に深く広く根を張った木々が、しなやかにしなり、強風に耐えている姿を見るにつけ、あるいは何度も高潮に襲われながらもなお沈まずにいる小さな舟をみるにつけ、私たちもあのような力のある心身を持ちたいものだと実感します。