いろいろなタイプの頭痛と対処法
店頭でお話を聞いていると本当に頭痛に悩まされておられる方が多いことを実感します。
そしてそれはなかなか手ごわい。
毎日のように頭痛薬を飲んでいる。薬が全く効かない。朝、頭痛で目が覚める・・・などなど、お聞きしていても気の毒になるくらいつらい日々を過ごされています。
私自身は頭痛の経験は数えるくらいしかありませんし、そのほとんどは頭痛薬を飲まないといけないくらいでもありません。気か付くと治まっている程度の頭痛です。
しかし、年とともに回数が増えてきた頭痛は、間違いなくQOL(生活の質)を低下させています。
このブログでは頭痛のさまざまなタイプと原因、対処法、予防法などをお伝えしたうえで、当店はどのように頭痛に対応しているかをお話していきます。
もくじ
1.頭痛の定義と種類
2.頭痛のメカニズム
3.頭痛の起こる原因
4.自律神経・ホルモンバランスと頭痛
5.最近多い鎮痛剤の使い過ぎによって起こる頭痛
6.頭痛への対処法
7.頭痛の予防法は?
8.当店での頭痛の考え方
9.まとめ
1.頭痛の定義と種類
頭痛とは、頭部の一部または全体に感じる痛みを指します。
日常生活に支障をきたすほど強い痛みから、我慢できる程度の軽い痛みまで、その程度は人によってほんとうに様々です。
頭痛の種類
大きく分けて、一次性頭痛と二次性頭痛の2つに分類されます。
一次性頭痛は、特定の病気やケガが原因ではなく、頭痛そのものが病気といえます。脳に器質的な異常は見られないのが特徴です。
- 緊張型頭痛: 頭の周りの筋肉が緊張することで起こる頭痛です。頭が締め付けられるような、重苦しい感じが特徴です。
- 片頭痛: 脈打つような痛みや吐き気などを伴う頭痛です。脳の血管が拡張することが原因と考えられています。
- 片頭痛は頭痛が始まる数時間から数十分前に様々な神経症状の前兆が現れる場合があります。個人差はありますが、同じようなパターンで現れることが多いのが特徴です。
視覚症状・・・閃輝暗点(せんきあんてん):キラキラした光やギザギザの光が視野に現れ、だんだんと広がっていく、最も一般的な前兆です。視野欠損:視野の一部が見えなくなる。
感覚症状・・・皮膚の痺れやチクチク感、手足が痺れる
言語症状・・・言葉が出てこない、言葉が理解できない
運動症状・・・手足の脱力感、めまい - 群発頭痛: 片方の目の奥が激しく痛む頭痛です。一定の周期で繰り返されるのが特徴です。
二次性頭痛は、他の病気やケガが原因となって起こる頭痛です。
- 脳腫瘍: 脳に腫瘍ができ、それが神経を圧迫することで頭痛が起こります。
- 脳出血: 脳の血管が破れて出血し、周囲の組織を刺激することで頭痛が起こります。
- 髄膜炎: 脳や脊髄を覆う膜に炎症が起こり、頭痛や発熱、首の痛みなどを伴います。
- 副鼻腔炎: 鼻の奥の空洞に炎症が起こり、頭が重く感じられるような頭痛が起こることがあります。特に痛む場所をお聞きしたときに額のあたりが痛むと訴えられる方が多いです。
- 高血圧: 血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、頭痛が起こることがあります。
ぞれぞれの頭痛の特徴は、
・緊張型頭痛 :締め付けられるような痛み、肩や首の凝り、ストレスとの関連性が高いといわれています。
・片頭痛 :脈打つような痛み、吐き気、光過敏性、音過敏性、オーラを伴う場合もあります。
・群発頭痛 :片方の目の奥の激しい痛み、一定の周期で繰り返される、夜間に起こりやすいといわれています。
・脳腫瘍 ・悪化する傾向がある、他の神経症状を伴う場合があります。
・脳出血 :激しい頭痛が起こる、意識を失う場合があります。
・髄膜炎 :高熱、首の痛み、吐き気などを伴います。
・副鼻腔炎 :顔面やおでこの痛みが特徴、鼻水、鼻づまりなどを伴うことが多いです。
・高血圧: 後頭部やこめかみの痛み、めまいなどを伴う場合があります。
2.頭痛のメカニズム
①神経伝達物質によって引き起こされる頭痛
頭痛、特に片頭痛においては、脳内の神経伝達物質が深く関わっていることが分かっています。神経伝達物質は、脳内の神経細胞同士が情報をやり取りするための化学物質で、私たちの思考、感情、そして身体の機能をコントロールしています。
頭痛と関連性の深い神経伝達物質:
- セロトニン:
- 血管収縮作用があり、片頭痛の発作前には、セロトニンが一度増加し、その後急激に減少します。このセロトニンの急激な変動が、血管の収縮と拡張を引き起こし、頭痛の発症に関わると考えられています。
- 脳内の血管が収縮すると脳内の血流が低下し、これがズキズキという締め付けられるような痛みを起こします。
- 次にセロトニン濃度が下がると血管が拡張し炎症を起こし、また三叉神経が活性化され頭痛がさらに悪化します。
- CGRP (カルシトニン遺伝子関連ペプチド):
- 血管拡張作用があり、片頭痛の発作時には脳内で過剰に分泌されます。
- 血管を拡張させ、透過性も亢進し、周囲の神経を圧迫し、かつ神経炎症を引き起こし、痛みを悪化させます。
- サブスタンスP:
- 痛みを伝える神経伝達物質であり、片頭痛の発作時に放出され、痛みの感覚を脳に伝える神経を刺激し、痛みを増強させる働きがあります。炎症が起こった部位に放出され、炎症反応を促進する働きがあります。また、血管を拡張させる作用があり、炎症部位への血流を増やし、炎症反応をさらに促進します。
脳内の神経伝達物質のバランスの乱れと頭痛:
これらの脳内の神経伝達物質のバランスが崩れると、頭痛が起こりやすくなります。例えば、セロトニンの量が減ると血管が拡張しやすくなり、CGRPやサブスタンスPが過剰に分泌されることで、片頭痛の発作が起こると考えられています。
② 脳の血管の働きによって引き起こされる頭痛
脳の血管は、脳に酸素や栄養を供給し、老廃物を排出するという重要な役割を担っています。この血管の働きが何らかの原因で変化すると、頭痛が起こることがあります。
頭痛と脳の血管の関係性
- 血管の拡張:
- 片頭痛: 最も代表的な例です。脳の特定の血管が拡張し、周囲の神経を刺激することで、ズキンズキンとした拍動性痛みを引き起こします。
- その他の頭痛: 血管の拡張は、ストレス、ホルモンバランスの変化、特定の食品摂取など、様々な要因によって引き起こされることがあります。
- 血管の収縮:
- 緊張型頭痛: 慢性的なストレスなどにより、頭の周りの筋肉が緊張し、血管が収縮することで、締め付けられるような痛みを感じることがあります。
- 血管の炎症:
- 巨細胞動脈炎: 特定の血管に炎症が起こり、激しい頭痛や視力障害などを伴うことがあります。
- 血管の異常:
- 脳動脈瘤: 脳の血管がこぶのように膨らんで破裂すると、激しい頭痛や意識障害などを伴うことがあります。
- 脳出血: 脳の血管が破れて出血すると、激しい頭痛や意識障害などを伴います。
頭痛の種類と脳の血管の関係
- 片頭痛: 脳の特定の血管が拡張し、神経を刺激することで起こります。
- 緊張型頭痛: 頭の周りの筋肉が緊張し、血管が収縮することで起こります。
- 群発頭痛: 片方の目の奥が激しく痛む頭痛で、血管の拡張が関与していると考えられています。
- 二次性頭痛: 脳腫瘍、脳出血、髄膜炎など、他の病気によって引き起こされる頭痛で、血管の異常が原因となることもありま
③筋肉の緊張によって引き起こされる頭痛
筋肉の緊張、特に首や肩の筋肉の緊張は、頭痛、特に緊張型頭痛と深く関連しています。
・筋肉の緊張による血行不良: 筋肉が緊張すると、血管が圧迫され、血流が悪くなります。これにより、酸素や栄養が十分に供給されなくなり、筋肉内に疲労物質が蓄積されます。
・神経の圧迫: 緊張した筋肉が神経を圧迫することで、痛み信号が脳に送られ、頭痛を引き起こします。
・悪循環: 頭痛が原因で筋肉がさらに緊張し、頭痛が悪化するという悪循環が生じることがあります。
緊張型頭痛の特徴
- 締め付けられるような痛み: 頭全体が締め付けられるような、重苦しい感じが特徴です。
- 肩こりや首の痛みを伴う: 首や肩の筋肉が硬く、痛みを感じることがあります。
- ストレスとの関連: ストレスが原因となることが多いです。
- 長時間のデスクワークや同じ姿勢での作業: これらの習慣は、筋肉の緊張を招きやすいです。
筋肉の緊張が引き起こす頭痛の種類
- 緊張型頭痛: 上記で説明したように、筋肉の緊張が主な原因です。
- 片頭痛: 緊張型頭痛と併発することもあり、ストレスや筋肉の緊張がトリガーとなる場合があります。
④炎症反応によって引き起こされる頭痛
炎症反応は、私たちの体が外部からの刺激や損傷に対して反応する自然な防御機構です。しかし、この炎症反応が過剰になると、様々な病気の原因となります。頭痛も、その一つです。炎症を起こす原因として以下のようなことが挙げられます。
・ウイルスや細菌感染: インフルエンザ、風邪、髄膜炎など、様々な感染症が原因となることがあります。
・自己免疫疾患: 体の免疫システムが自分の体を攻撃してしまう病気(膠原病など)が原因となることがあります。
・アレルギー: 花粉症など、アレルギー反応が原因となることがあります。
・その他、不明な原因: 原因不明の場合もあります。
炎症反応が頭痛を引き起こすメカニズムは、まだ完全に解明されていませんが、以下のようなことが考えられています。
- 炎症物質の放出: 炎症が起こると、プロスタグランジンなどの炎症物質が放出されます。これらの物質は、血管を拡張させ、神経を刺激し、痛みを引き起こすことがあります。
- 神経の過敏化: 炎症によって神経が過敏になり、痛みを感じやすくなります。
- 血管の拡張: 炎症によって血管が拡張し、脈動性の痛みや圧迫感を感じることがあります
炎症反応が原因のひとつとなる頭痛
- 片頭痛: 片頭痛の発作時には、脳の血管が拡張し、炎症が起こることが知られています。
- 群発頭痛: 片頭痛と同様に、血管の拡張と炎症が関与していると考えられています。
- 巨細胞動脈炎: 特定の動脈に炎症が起こる病気で、激しい頭痛や視力障害などを伴います。
- 髄膜炎: 脳や脊髄を覆う膜に炎症が起こり、激しい頭痛、発熱、嘔吐などを伴います。
- 副鼻腔炎による頭痛: 鼻の奥にある空洞(副鼻腔)に炎症が起こると、額や目の奥に痛みが生じます。
*巨細胞動脈炎とは、巨細胞動脈炎は、主に頭部の動脈、特に側頭動脈と呼ばれるこめかみを通る血管に慢性的な炎症が起こる自己免疫疾患です。50歳以上の高齢者に多くみられ、女性にやや多い傾向があります。この病気の名前は、炎症を起こした血管の組織を顕微鏡で見ると、「巨細胞」と呼ばれる大きな細胞がたくさん見られることから名付けられています。
3.頭痛の起こる原因
頭痛の原因は、非常に多岐にわたります。前述のとおり、頭痛は大きく分けると、一次性頭痛と二次性頭痛の2つに分類されます。
一次性頭痛
一次性頭痛は、特定の器質的な原因が特定できない頭痛で、最も一般的なタイプの頭痛です。
- 緊張型頭痛:
- 頭の周りの筋肉が緊張することで起こる頭痛で、締め付けられるような痛みを感じることが特徴です。
- ストレス、姿勢の悪さ、睡眠不足などが原因として挙げられます。
- 片頭痛:
- 脈打つような痛みや吐き気、光や音への過敏性などを伴う頭痛です。
- 脳の血管が拡張し、炎症が起こることが原因と考えられています。
- 遺伝的な要因や、ホルモンバランス、ストレス、特定の食品などがトリガーとなることがあります。
- 群発頭痛:
- 片方の目の奥が激しく痛む頭痛で、一定の時間帯に繰り返し発作が起こります。
- 血管の拡張が原因と考えられていますが、詳しいメカニズムは不明です。
二次性頭痛
二次性頭痛は、他の病気やケガが原因で起こる頭痛です。
- 脳腫瘍: 脳に腫瘍ができると、頭痛、嘔吐、神経症状などを引き起こすことがあります。
- 脳出血: 脳の血管が破れて出血すると、激しい頭痛、意識障害などを伴います。
- 脳動脈瘤: 脳の血管がこぶのように膨らんで破裂すると、くも膜下出血を起こし、激しい頭痛を伴います。
- 髄膜炎: 脳や脊髄を覆う膜に炎症が起こり、激しい頭痛、発熱、嘔吐などを伴います。
- 副鼻腔炎: 鼻の奥の空洞に炎症が起こり、頭痛や顔面の圧迫感などを引き起こすことがあります。
その他の原因
- 薬物乱用: 一部の薬や物質は、頭痛を引き起こすことがあります。
- また、最近では鎮痛剤の使い過ぎによって起こる頭痛のことを一般的に薬剤乱用頭痛または薬剤使用過多による頭痛といい、これによる頭痛の人が大変多いことが分かっています。これについては次の章で詳しくお話します。
- ストレス: ストレスは、緊張型頭痛や片頭痛の誘因となることがあります。
- 睡眠不足: 睡眠不足は、様々な種類の頭痛を引き起こす可能性があります。
- 脱水: 体内の水分が不足すると、頭痛が起こることがあります。
- 低血糖: 血糖値が低い状態になると、頭痛を感じることがあります。
- 天候の変化: 気圧の変化や気温の変化が、頭痛の引き金になることがあります。最近は気象病という名前で認知されてきました。これについても後日別のブログでお伝えします。
- 特定の食品: 赤ワイン、チーズ、チョコレートなどは、片頭痛の誘因となることがあります。
4.自律神経・ホルモンバランスと頭痛
自律神経の乱れと頭痛
自律神経は、私たちの体の機能を無意識にコントロールしている神経系です。ストレスや不規則な生活などによって自律神経が乱れると、血管が収縮したり拡張したりすることが不安定になり、頭痛を引き起こすことがあります。
- 交感神経が優位な状態: ストレスを感じたり、緊張状態が続くと交感神経が優位になり、血管が収縮し、頭痛が起こることがあります。
- 副交感神経が優位な状態: 休息やリラックスしている状態では副交感神経が優位になりますが、これが過度に働くと血管が拡張し、頭痛が起こることがあります。
ホルモンバランスの乱れと頭痛
ホルモンは、体の様々な機能を調節する物質です。ホルモンバランスが乱れると、頭痛を引き起こすことがあります。
- 女性ホルモン: 女性ホルモンの変動は、頭痛との関連性が指摘されています。生理前や更年期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期に頭痛が起こりやすくなることがあります。
- ストレスホルモン: ストレスを感じると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。コルチゾールの分泌が過剰になると、頭痛を引き起こすことがあります。
自律神経やホルモンバランスの乱れが疑われる場合
- 頭痛と同時に他の症状も出ている場合: めまい、動悸、不眠、倦怠感、イライラ感など、自律神経が乱れている可能性を示す症状が出ている場合。
- 特定の時期に頭痛が起こりやすい場合: 生理前、更年期、ストレスを感じやすい時期など、ホルモンバランスが変動しやすい時期に頭痛が起こりやすい場合。
- 生活習慣が乱れている場合: 不規則な生活、睡眠不足、偏食など、自律神経を乱しやすい生活習慣を送っている場合。
5.最近多い鎮痛剤の使い過ぎによって起こる頭痛
頭痛薬を頻繁に服用することで、かえって頭痛が悪化してしまうことがあります。これを薬物乱用頭痛といいます。
実は頭痛が頻繁に起こる方はこれを起こしている人も多いようです。
なぜ頭痛薬を飲み過ぎると頭痛が悪化するのでしょうか?それは以下の理由が考えられます。
- 反跳現象: 痛み止めが切れるタイミングで、かえって強い痛みが戻ってくることがあります。これを反跳現象といいます。
- 薬物依存: 痛み止めへの依存性が高まり、痛み止めがないと不安になったり、頭痛を感じやすくなったりします。
- 脳の過敏化: 痛み止めを頻繁に服用することで、脳が痛みに対して過敏になり、ちょっとした刺激でも痛みを感じやすくなります。
薬物乱用頭痛の特徴
- 毎日、または週に数回、頭痛が起こる
- 痛み止めを飲んでも効果が薄れる
- 痛み止めを飲まないと不安になる
- 痛み止めを飲んだ後、かえって頭痛がひどくなる
薬物乱用頭痛にならないためには頭痛薬の服用は、市販の頭痛薬の場合、一般的には月10回程度を目安に服用することが推奨されています。ただし、これはあくまで目安であり、個人の体質や症状によって異なります。しかし、毎日のように服用したり、1日に何度も服用することは体への負担になると同時に薬物乱用頭痛になる可能性が大きくなります。
頭痛が長引いたり頻繁に起こる場合は、自己判断で長時間、または頻繁に服用を続けずに、一度医師や薬剤師に相談しましょう。
6.頭痛への対処法
頭痛の種類によって、効果的な対処法が異なります。
- 緊張型頭痛:
- 原因: ストレス、姿勢が悪いなど、筋肉の緊張が原因
- 対処法:
- 首や肩のストレッチ
- 温かいシャワーや入浴
- マッサージ
- 十分な睡眠
- その他: 鎮痛薬も効果的ですが、前章の通り頻繁な使用は薬物乱用頭痛を起こすことがありますので避けましょう。
- 片頭痛:
- 原因: 血管の拡張、神経の過敏性など
- 対処法:
- 暗く静かな場所で休む
- 冷たいタオルでこめかみなどを冷やす
- 鎮痛薬を早めに服用する
- その他: 光や音に敏感な場合は、遮光カーテンや耳栓を使用しましょう。
- 群発頭痛:
- 原因: まだ解明されていない部分が多い
- 対処法:
- 高濃度の酸素吸入
- 鎮痛薬
- 三叉神経ブロック
- その他: 専門医の治療が必要です。
その他の頭痛の対処法
- 生活習慣の見直し: 規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。
- ストレスの軽減: ヨガ、瞑想、アロマテラピーなど、リラックスできる方法を取り入れましょう。
- カフェインの摂取: カフェインには血管収縮作用があり、頭痛に効果的な場合があります。ただし、過剰摂取は避けましょう。
- 水分補給: 脱水状態は頭痛の原因となることがあります。こまめに水分補給をしましょう。
頭痛が続く場合
- 自己判断で長期間の服用を避ける: 市販の鎮痛薬は、一時的な痛み止めとして有効ですが、長期間の服用は避けましょう。
- 医師に相談する: 頭痛が頻繁に起こったり、日常生活に支障が出る場合は、必ず医師に相談しましょう。
今まで何回もお話してきたことですが、頭痛の原因を特定し、適切な対処法を選ぶことが大切です。
頭痛の原因として考えられるもの
- ストレス: 日常生活でのストレスは、筋肉の緊張を引き起こし、頭痛の原因となります。⇒ストレス解消
- 睡眠不足: 睡眠不足は、体全体のバランスを崩し、頭痛を引き起こすことがあります。⇒規則正しい睡眠
- 脱水: 体内の水分が不足すると、頭痛が起こることがあります。⇒こまめな水分補給
- 眼精疲労: 目の使いすぎは、頭痛の原因となることがあります。⇒目を使い過ぎない
- 気圧の変化: 気圧の変化に敏感な人は、頭痛を感じることがあります。⇒自律神経を整える、内耳の巡りをよくする
- 食生活: 特定の食品や添加物が頭痛を引き起こすことがあります。⇒原因となるものを特定、それを避ける
- ホルモンバランス: 女性ホルモンの変動は、頭痛に影響を与えることがあります。⇒ホルモンバランスを整える
頭痛日記をつける
頭痛の種類、頻度、痛み方、何をした時に痛みが悪化するのか、睡眠時間、食事、運動などを記録することで、自分に合った対処法を見つけやすくなります。
7.頭痛の予防法は?
頭痛の原因は様々ですが、以下の点に注意することで、頭痛を予防できる可能性が高まります。
生活習慣の見直し
- 規則正しい睡眠: 睡眠不足や寝過ぎは、頭痛を引き起こす原因の一つです。毎日同じ時間に寝起きし、質の高い睡眠を心がけましょう。
- バランスの取れた食事: 特定の食品や添加物が頭痛を引き起こすことがあります。規則正しい食事を心がけ、栄養バランスの良い食事を摂りましょう。
- 適度な運動: 運動は、血行を良くし、ストレス解消にもつながります。ただし、激しい運動はかえって頭痛を悪化させる可能性もあるため、無理のない範囲で行いましょう。
- 水分補給: 脱水状態は頭痛の原因の一つです。こまめに水分補給を心がけましょう。
- ストレス管理: ストレスは、緊張型頭痛などの原因となります。ヨガ、瞑想、深呼吸など、リラックスできる方法を取り入れましょう。
環境対策
- 快適な室温: 室温が極端に暑い、寒い場合は頭痛を引き起こすことがあります。快適な室温を保ちましょう。
- 光と音: 光や音に敏感な人は、遮光カーテンや耳栓を使用するなど、刺激を避けるようにしましょう。
- 姿勢: 猫背や長時間同じ姿勢でいることは、筋肉の緊張を引き起こし、頭痛の原因となります。正しい姿勢を心がけましょう。
その他
- カフェイン: カフェインには血管収縮作用があり、頭痛に効果的な場合があります。ただし、過剰摂取は避けましょう。
- ビタミン・ミネラル: ビタミンB2やマグネシウムは、頭痛予防に効果があると言われています。
- 頭痛日記: 前章と重なりますが、頭痛の種類、頻度、痛み方、何をした時に痛みが悪化するのかなどを記録することで、自分に合った対処法を見つけやすくなります。
頭痛の種類別予防法
- 緊張型頭痛: ストレスを溜めない、姿勢を正す、肩や首のストレッチを行うなど。
- 片頭痛: 規則正しい生活、トリガーとなる食品や状況を避けるなど。
- 群発頭痛: 高濃度の酸素吸入、予防薬の服用など(専門医の指示に従う)。
以下のような場合は大きな病気が原因のこともありますので医師にかかることを躊躇しないでください!
- 頭痛が頻繁に起こる場合
- 日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合
- 他の症状を伴う場合(首が動きにくい場合、発熱、嘔吐、意識障害などの症状を伴う場合、視力に異常が現れる場合)
- 痛み止めを飲んでも効果がない場合
8.当店での頭痛の考え方
今までは学術的論点から頭痛の種類、原因、対処法などをお話してきましたが、この章では今までのようなお話をもとにした上で、当店が頭痛をどのように考え対応しているかをお話します。
当店では以下のような内容をまじえた質問を詳しくさせていただいています。
・頻度・・・毎日?週に何回?定期的に起こる?など
・場所・・・片側?両側?額のあたり?など
・痛みの種類・・・ズキズキ?ズキンスキン?締め付けられるような感じ?お椀をかぶったような感じ?
・ほかの症状・・・嘔吐は?めまいは?鼻水鼻づまりは?など
・ほかの内容・・・生活形態・食事の内容などそれぞれの習慣や嗜好
以上の質問をもとに、以下のように頭痛が起きている原因を探り、以下のように分類してゆきます。
①元気な血が足りていないことによって起きている頭痛ではないか?・・・貧血気味の人、月経後、産後の人が起こりやすい。など
②血の流れの勢いが悪いことにより起こる頭痛ではないか?・・・血液の流れが悪いことにより痛みが起こる。鎮痛剤が効きにくいタイプ。片頭痛はこのタイプが多い。など
③血管が詰まり気味で頭痛が起きているのではないか?・・・高血圧や動脈硬化がある人。風邪をひくと頭が痛くなる人、鎮痛剤を飲むととりあえずは痛みが治まる人など。
④脳の栄養不足で起きている頭痛ではないか?・・・耳鳴りや不眠が伴う頭痛。頭がもやっとする感じ、物忘れが多い。など
⑤ストレス・イライラ・気が上がったり、疲労が原因の頭痛ではないか?・・・ストレスやイライラ、疲労により血液循環が悪くなり起こる頭痛。筋肉が緊張している。など
⑥副鼻腔炎が原因で起こる頭痛ではないか?・・・副鼻腔炎によりおでこをはじめとした頭の前面が重く痛くなる頭痛。
人により、これらの原因が一つのこともあるし、数種類が組み合わさって起こっている場合もあります。
お分かりの通り、血流が悪いと一言でいっても、血が少ないために流れが悪いのか、血の質が悪いために流れが悪いのか、血管が細くなって流れが悪くなっているのか…等々、一つのことをとっても原因は様々です。
頭痛がなかなか良くならない人が多いのは、その原因が、一人ひとり違うさまざまな要因が重なり絡まり合った結果のことだと考えています。
9.まとめ
今から何十年も前に初めて、閃輝暗点(せんきあんてん)=キラキラした光やギザギザの光が視野に現れ、だんだんと広がっていくという、片頭痛の最も一般的な前兆を経験したときには、最初のうちは何が起きているのかわからず、あれ、目にゴミでもはいったか?・・・からそのうち、いやいや!!自分の身に脳梗塞か何かが起きたのか?!と非常に慌て、医者に飛んで行った記憶があります。(その後に起きた頭痛の記憶が全くないのは、おそらく鎮痛剤でやり過ごしたのだと思います・・・記憶がありません)
医師からは、「あ~~、それは片頭痛がおきる前の前兆発作ですね~~」といとも簡単に言われ、それまで頭痛とは無縁に生きてきた私は、そのようなものがあるのかと驚いたものです。
以来、頭痛といえば、熱中症のなりかけの時や、人混みから帰ってきた時に数度くらいの経験しかありませんでしたが、齢60の声を聞いたあたりから、朝起きた時になんとなく頭が痛む・・・という日がちょくちょく出始めてきました。
誰しも経験してみないと頭痛の辛さはわかりません。
ましてや、何をやってもどうやっても改善しない頭痛はなおさらです。
そして、そういう方が現在本当に多い印象です。
毎日頭痛が続く、だんだんひどくなる、薬を飲んでも効かない・・・等々で、あまりにも頭痛が長引く方は、一度専門機関で診察を受られ、大きな病気が隠れていないかを確認されるのがまず、最初のステップです。
そして、大きな病気によるせいではないと分かったその時に、ご自分に合った治療方法を探されるのがいいと思いますが、単に鎮痛剤を出して、様子を見ましょう・・・というような病院や薬局・薬店ではなく、なぜその頭痛が起きているのか?を探り出し、そしてそれらの原因に対応した解決方法を提案してもらえるような病院や薬局・薬店にぜひ、かかっていただきたいと思います。
それが頭痛を根本から治していくということになります。
当店にもたくさん頭痛の相談にお見えになられます。ご提案した方法ですんなりと頭痛が改善される方が多いですが、中には、残念ながら、なかなか手ごわく、あと一歩がなかなかよくならない。と言われる方もあります。
それほど頭痛と一言にいっても様々な要因がからんで起こっているのだと思われます。
「あ~~~っ!!頭痛の起こらない日々って、こんなに快適だったのね?!?!」
というような日を取り戻してほしいという思いで、我々も日々、「なんでかなぁ~、なんでかなぁ~~」と、頭痛の勉強を重ねています。
こきあ相談薬店 薬剤師 芳田里美