今年は毎日のように熱中症警戒アラートが出され、不要不急の外出を控えるようにという警告が出るくらいの暑い夏でした。
35度を超える猛暑日も過去の最高記録を更新し、もうすぐ9月の声をきこうとしている今なお厳しい残暑が日々続いています。
しかし。
意外なことに、そんな暑い毎日にも関わらず、実は体の冷えに悩んでいる方がけっこうおられます。
本日はそんな夏の冷えに関する原因と対処法をお話ししていきます。
もくじ
1.夏の冷えはなぜ起こるの?
2.冷えるとどんなことが起きるの?
3.冷えを放置するとどうなるの?
4.どうすれば冷えは改善できるの?
5.まとめ
1.夏の冷えはなぜ起こるの?
1.冷房の影響
- 室内外の温度差: 外は暑くても、室内は冷房が効きすぎていて、体が急激に冷えてしまうことがあります。特に女性は男性に比べ筋肉量が少ない傾向にあり、熱を生み出す力が弱いため体温の維持をしにくかったり、同様に男性より多い傾向にある皮下脂肪が断熱剤の役割をしてしまい、体がいったん冷えるとなかなか温まりにくくなる特徴があります。そのため、男性と同じ部屋にいる場合、同じ設定温度でも女性の方が寒く感じやすく、かつ、体が冷えてしまう傾向があります。
- 長時間冷房に当たる: 臨機応変に場所が変えられる場合はいいのですが、職場などで座席が固定されている場合、直接冷房の風を長時間浴びたり、冷えた場所に長時間座り続けたりすることで、体が芯から冷えてしまいます。
- 2・冷たいものの食べ過ぎ・飲み過ぎ
- 冷たい飲み物: アイスコーヒーやジュースなど、冷たい飲み物を頻繁に飲むと、体が冷えてしまいます。気温の高い時の冷たいものは口に美味しく、ついゴクゴクと多量に飲んでしまいがちになり、胃腸を冷やしてしまいます。
- 冷たい食べ物: 冷たい麺やサラダなど、冷たい食べ物を多く摂るのも、体内に冷えを生み出す原因となります。夏場は食欲が出なかったり、火を使う調理をしたくなかったりという理由で、ついつい簡単にできるそうめんや冷やしそばなどをメニューに選びがちになります。近年ではそれをさらに冷房の効いた部屋で食べるので、ますます胃腸が冷えてしまいます。 また、アイスクリームやかき氷など冷たくて口に美味しい食べ物が増えるのも夏ならではで、ついつい食べてしまいがちになります。
- 3.汗をかいた後の冷え
- 汗が蒸発する際の熱放散: 汗をかいた後に冷房の効いた部屋に入ったり、冷たいシャワーを浴びたりすると、汗が蒸発する際に熱が奪われ、体が冷えてしまいます。
- 汗を拭かず放置: 汗をかいたままの状態を放置すると、体温が奪われやすくなります。
- 4.薄着
- 冷房対策不足: 夏の装いは薄着すぎるのも冷えの原因となります。衣類の素材が薄くなるだけでなく、素足にサンダル履きというスタイルにより冷えが加速します。
- お腹を冷やす: 特にお腹は冷えやすいので、薄着で過ごすと内臓が冷えてしまいます。
- 5.運動不足
- 代謝低下: 暑さのせいで室内で過ごすことが多くなることにより運動不足になりがちです。運動不足は基礎代謝を低下させ、体温を維持する能力を低下させます。
- 血行不良: 同じく、運動不足は全身の血行不良を引き起こし、体の末端が冷えやすくなります。
- 6.自律神経の乱れ
- ストレス:暑いというだけで心身にはストレスになります。また、暑さによりイライラすることもあります。 これらは自律神経を乱し、体温調節機能を低下させます。
- 睡眠不足: 暑さによる睡眠不足も自律神経を乱す原因となり、冷えを引き起こすことがあります。
- 7.食生活の乱れ
- 栄養バランスの偏り:前述のとおり、暑さによる食欲不振や、暑さのために調理がしたくなくなり、そうめんや冷やしそばなどの簡単な食事になりがちなため、栄養不足になりがちです。 特に鉄分やビタミン不足は、冷えの原因となることがあります。とくに鉄分不足は貧血の原因となり、冷えを悪化させます
- 消化不良: 夏は行事ごとが多く食事が不規則になったり、元気をつけるためにと、焼き肉や唐揚げなどスタミナ満点のものを食べたりしがちです。しかし、それらがかえって胃腸の負担になり、結果エネルギーが作られず、体が冷えやすくなることがあります。
2.体が冷えるとどんなことが起こるの?
夏なのに寒い!というのはとにかく不快です。それに加え、以下のような症状が起こることがあります。
夏の冷えの症状
- 手足が冷たい: 特に指先や足先が冷たく、冷たさがなかなか抜けません。
- 体がだるい: 全身がだるく、やる気が起きない、体が重く感じるといった症状が現れます。
- 頭痛: 冷えによって血行が悪くなり、頭痛が起こることがあります。
- めまい:同じく冷えによる血行不良によりめまいが起こることがあります。
- 肩こり: 冷えによって筋肉が硬くなり、肩こりを引き起こすことがあります。
- 腰痛、神経痛:腰痛や神経痛などの持病がある人は冷えにより症状が悪化することがあります。
- 便秘: 冷えは腸の働きを鈍らせ、便秘を引き起こすことがあります。
- 下痢: 一方で、冷えによって腸の働きが過敏になり、下痢になることもあります。
- むくみ: 冷えによってリンパの流れが悪くなり、むくみが起こることがあります。また、むくみにより関節が動かしにくくなったり痛んだりすることがあります。
- 肌荒れ: 冷えによって新陳代謝が低下し、肌が乾燥したり、ニキビができやすくなったりします。目の下にクマができることもあります。
- 抜け毛・髪がパサパサ:冷えにより気血が十分に作られなくなると抜け毛が増えたり、髪の毛がパサパサになることがあります。
- 体重増加:同じく冷えにより新陳代謝が低下し、体重が増加することがあります。むくみにより体重が増加することもあります。
- 生理痛: 女性の場合、冷えは生理痛を悪化させることがあります。
- 生理不順:同じく女性の場合、冷えにより自律神経の働きやホルモンバランスが崩れ生理不順になることもあります。
- イライラしやすい: 冷えは自律神経を乱し、イライラしやすくなったり、不安感が高まったりすることがあります。不眠になることもあります。
3.冷えを放置するとどうなるの?
- 夏の冷えを放置すると、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。
- 体温が低いと、免疫細胞が活発に働けない: 一般的に体温が1度下がると免疫力は30%下がるといわれています。体温が低いと、免疫細胞が活発に働けなくなり、ウイルスや細菌から体を守る力が弱まります。そのため 冷えは免疫力を低下させ、風邪をひきやすくなったり、感染症にかかりやすくなったりします。
- 代謝が低下する: 一般的に体温が1度下がると基礎代謝は12~13%下がるといわれています。体温が低いと、基礎代謝が低下し、エネルギー消費量が減ります。そのため、脂肪が燃えにくくなり、太りやすくなります。また、肌の新陳代謝も低下することにより、肌の老化を早めたりします。
- 慢性的な疲労: 冷えはエネルギーの生産不足、血行不良による各臓器の酸素や栄養不足、自律神経の乱れなど複合的な要因により慢性的な疲労感の原因となることがあります。
- 自律神経が乱れる: 体温は自律神経によってコントロールされています。冷えによって自律神経のバランスが崩れると、様々な不調が現れます。不眠やイライラ、うつ症状、肩こり、頭痛など様々な不調を引き起こす可能性があります。
- 婦人科系のトラブル:女性の場合、冷えは生理痛を悪化させたり、生理不順、不妊の原因になる可能性も指摘されています。
- 消化器系のトラブル:冷えは腸の働きを鈍らせ、便秘や下痢、お腹の張りなどを引き起こすことがあります。
- 循環器系のトラブル:冷えは血行不良を引き起こし、高血圧や動脈硬化のリスクを高める可能性があります。
- もし、あなたが夏の冷えに悩んでいる場合は、早めに改善策を講じることが大切です。
4.どうすれば冷えは改善できるの?
まずは生活習慣の見直しが大切です。
- 規則正しい生活: 睡眠をしっかりと取り、規則正しい生活を送ることが大切です。そうすることにより体の自律神経の働きが整いホルモンバランスなどが整います。
- ストレス解消: ヨガや瞑想など、リラックスできる時間を作りましょう。また、夢中になれる趣味や家族や友人との時間を持ったり、自然に触れ合う時間をとったりして、日ごろのストレスを解消しましょう。
- 保温対策: 冷房の設定温度に注意し、薄手のカーディガンや靴下などを活用しましょう。
- 冷えやすい部分を温める: 手足、お腹、首などをレッグウォーマーや腹巻、スカーフなどでこまめに温めるようにしましょう。
- 食事:冷たい食べ物、飲み物を多く摂りすぎないようにすることはもとより、生野菜や夏野菜などの食べ過ぎも体を冷やしますので食べ過ぎに注意が必要です。もしくは、夏野菜は火を通して食べるなどの工夫が必要です。
- 体を温める食材を利用する: 生姜、ネギ、大蒜、唐辛子、シナモン、クローブ、八角など。
- 鉄分を意識して摂る: とくに女性に多くみられる鉄分不足は貧血の原因となり、冷えを悪化させます。レバー、赤身肉、海藻類などを積極的に摂りましょう。
- ビタミンEを摂る: ビタミンEは血行を促進する効果があります。ナッツ類、種子類、植物油などを摂取しましょう。
- 入浴:暑い夏はどうしてもシャワーで済ませがちになりますが、血行を改善するには入浴が一番おすすめです。
- 半身浴: お湯に腰まで浸かり、じっくりと体を温めましょう。
- アロマや入浴剤: ラベンダーやローズマリーなどのアロマオイルやお気に入りの入浴剤を入れると、リラックス効果が高まります。
- 運動:暑い時は室内にじっとしがちになってしまいますが、じっとしていると気血が巡らなくなってしまします。パソコン作業などの時もタイマーなどをかけて定期的に、こまめに体を動かすようにしましょう。
- 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、水泳など、汗をかく程度の運動がおすすめです。
- ストレッチ: 体を柔軟にし、血行を促進します。
- その他:
- 足のマッサージ: 足裏には多くのツボがあり、マッサージすることで血行が改善されます。
- 冷えに良いといわれるツボに温灸やお灸をするのもおすすめです。
- 汗をかく機会が多い場合はこまめに着替えて汗に濡れた状態で長時間過ごさないように心がけましょう。
- 温かい飲み物: 温かいハーブティーやお茶をこまめに飲みましょう。
5.まとめ
かつての私は電車に乗る時は絶対に「弱冷車」に乗らないと、途中から寒くて寒くてたまらなくなるくらいの冷え性でした。
もちろん、家庭での冷房も苦手で、家族と冷房の設定温度でちょっとしたバトルを繰り広げていたことも思い出されます。
今ではそのようなことはなくなりましたが、(もっというと、「弱冷車」に乗ってしまうと残念~と思ってしまうくらいになりました)
それでも冷房の効いた部屋に長時間いると頭痛がしてきたり、夜中に足首が冷えて目が覚めたりすることがあります。
暑い時に寒さを感じるなど、思えばすごく贅沢なことなのですが、しかし、心身共に憂鬱で、体にとっては深刻なことです。誰もそうなりたくてなっている訳ではありません。
では何をして改善したのか?!
一番は入浴でしょうか。お風呂場に時計を置いて、毎日お気に入りの入浴剤を入れて、最低20分湯船につかる習慣をつけました。もちろん超ぬるめのお湯です。私の場合は体に湿が溜まっているので、汗が出始めるまでにけっこう時間がかかります。それがだいたい20分ということなので、これは人によると思います。
絶対に汗をかくまで入っているぞ!!と無理をして気分が悪くなったりすると本末転倒ですので、これはご自分でちょうどよい塩梅の時間と温度を見つけていただくしかないのですが、絶対にしていただきたいことは、夏場でも湯船にお湯を張って入浴する!!ことですね。
この時に自分の気に入った入浴剤などがあればテンションがあがりますのでお勧めです。お気に入りの音楽を聴くとか、読書をしながら半身浴でもいいかもしれません。じんわ~~り汗ばむくらいを目安にされるといいと思います。(くれぐれも、持病がある方(循環器系の方はとくに)は無理をなさらないでくださいね)
次に温灸と巡り合えたのも大きかったと思います。
夏の冷えは本当につらい!!と思っていた時に、ちょうど温灸の講習を受ける機会がありました。この温灸は衣服をつけたまますることが出来るので、寝る前に布団に横になっておへその少し下や、恥骨あたり、太ももの付け根あたりや背中側のおへその真裏当たりを10分くらいずつ温灸すると、なんだか、良い。何がどういいのか言えないんだけれど、なんか、いい。ということで夏中毎日温灸を続けること、数年。これは今でもたまに行っています。気持ちのいいことは長続きしますね。
次はヨガ。
公私ともにストレスフルな日々を過ごす中で、ヨガがこれほど心身に気持ちの良いものだとは習い始めるまでは思ってもいませんでした。
私は3年ほどヨガ教室に通いましたが、今でも自宅でヨガもどき?!をやって心身をほぐしています。
ただし、ヨガ教室に通ってわかったことは、先生との相性問題。合うあわないが絶対にあると思いますので、相性の合う先生に巡り会えますように。
といいますか、一度きちんと先生にメソッドを習って、あとは家で”ヨガもどき”でも十分だと私は思っています。プロになるわけでもありませんし、要は深い呼吸ができるようになることが一番大切なのですから。
最近では、デスクワークをするときに足元にゴルフボールをおいて足の裏でコロコロと動かしています。前述のとおり、足の裏には全身のツボがありますので、全身のツボ押しと同じ効果があります。私の場合はかかと部分が最初のころはゴリゴリといっていましたが、最近はそれがずいぶんましになりました。(余談;かかとがゴリゴリするのは老廃物が溜まっている証拠で、かかとは生殖器(=腎)と関連深いところだそうだす)それまではふくらはぎがいつもパンパンだったのが、これを始めてからずいぶんと柔らかくなったのを実感しています。
そして四つ目は、やはり身体に合う漢方食材を取り入れたからだと思います。
これは一人ひとり、体質や生活形態により違ってくるので一概には言えませんが、私の場合は身体の気血水のバランスを整えるものと体の新陳代謝を高めるものを取り入れたのが良かったのではないかと思っています。
こきあ相談薬店ではお一人おひとりのお話をじっくりとお聞きして、一緒に考え、その方に一番合う養生法や漢方、サプリメントをご提案しています。
夏を思い存分楽しむために、我々と夏の冷えの改善に取り組んでみませんか。
素足にサンダルも夢ではありませんよ(^^♪
こきあ相談薬店 薬剤師 芳田里美
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