ゴホンゴホンという痰が絡む咳、コンコンという乾いた咳、空気が変わると咳が出る、布団に入ると咳が出る、新型コロナに罹ったあと咳が続いている、風邪の後なかなか咳だけが良くならない・・・などなど咳が続くと体力を消耗し、全身の倦怠感につながります。

本日はそんな咳に関することをいろいろと書いていきます。咳に悩んでおられる方の参考になれば幸いです。

もくじ

1.咳はなぜ起こるの?
2.咳の種類
3.咳がでる病気
4.咳の薬にはどのようなものがある?
5.薬以外の咳の対処法
6.まとめ

1.咳はなぜ起こるの?

咳は、私たちの体が異物から身を守るための防御反応です。気道にホコリやウイルス、アレルギー物質などが入ると、それを感知した体が、勢いよく空気を吐き出すことで異物を体外に排出しようとするのです。

咳が起こるメカニズム

  1. 異物の侵入: 気道にほこり、煙、ウイルス、細菌など、何かしらの異物が入ると、気道の粘膜にあるセンサー(咳受容体)が刺激されます。(=気道の粘膜が刺激されます)
  2. 脳への信号: 刺激された咳受容体は、脳の咳中枢に信号を送ります。
  3. 筋肉の動き: 脳からの指令を受け、呼吸筋が収縮し、強い息を一気に吐き出すことで咳が発生します。
  4. 異物の排出: 咳によって、気道内の空気は勢いよく外に排出され、一緒に異物も体外へ押し出されます。

これが咳のメカニズムです。

それではなぜ咳が出るのでしょうか?

  • 気道への刺激: ほこり、煙、ウイルス、細菌など、気道に何かしらの刺激が加わると、体が異物だと認識し、それを外に出そうとします。
  • 炎症: 気道に炎症が起こると、粘膜が腫れたり、神経が過敏になったりして、咳が出やすくなります。
  • 痰の排出: 気道にたまった痰を排出するために、咳が出ることがあります。

2.咳の種類

咳の種類

咳には、大きく分けて以下の種類があります。

  • 乾性咳嗽: 痰を伴わない乾いた咳。コンコンという咳でイガイガした刺激を感じることが多いです。気道が乾燥していたり、炎症初期の段階にある場合によく見られます。
  • 気道が乾燥している: 空気が乾燥していたり、暖房などで空気が乾燥しすぎている場合、気道が刺激されて乾いた咳が出ることがあります。
    炎症初期: 風邪やインフルエンザなど、感染症の初期段階では、気道が炎症を起こし始め、分泌物がまだ少ないため、乾いた咳が出ることが多いです。

  • 湿性咳嗽: 痰を伴う湿った咳。ゴホンゴホンという咳。気道に炎症が起こり、分泌物が多くなっている状態が考えられます。
  • 炎症が進行: 感染症が進行したり、気管支炎などの病気にかかると、気道に炎症が起こり、粘液が過剰に分泌されます。この粘液を排出するために、湿った咳が出ます。
  • 慢性的な病気: COPD(慢性閉塞性肺疾患)や気管支拡張症など、慢性的な呼吸器疾患では、常に気道に分泌物が溜まりやすいため、湿った咳が慢性的に続きます。

3.咳がで出る原因になる病気

咳が出る主な原因

咳の原因は様々ですが、代表的なものとしては以下のものが挙げられます。

  • 風邪:最も一般的な原因の一つです。ウイルス感染により、鼻水、鼻づまり、喉の痛みなどを伴うことがあります。
  • インフルエンザ: ウイルス感染による気道の炎症が原因で、咳とともに高熱、筋肉痛、全身倦怠感などを伴うことが特徴です。
  • アレルギー性鼻炎: 花粉やハウスダストなど、アレルギー物質によって鼻や喉が炎症を起こし、咳が出ることがあります。
  • アトピー性気管支炎: アレルギー体質の人が、気管支が過敏に反応して起こる病気です。
  • 気管支炎: 気管支に炎症が起こり、痰を伴う咳が出ます。
  • 肺炎: 肺に炎症が起こり、呼吸困難や高熱を伴うことがあります。
  • 逆流性食道炎: 胃酸が食道に逆流し、気道が刺激されることにより咳がでることがあります。
  • 心不全: 心臓の働きが弱まり、肺に水が溜まることで咳が出ることがあります。
  • 百日咳: ボルデテラ菌という細菌が原因で起こる感染症です。激しい咳こみが特徴です。特に乳幼児に多く見られ、激しい咳こみと「キーン」という吸気時の高音が特徴です。
  • 肺がん: 肺に腫瘍ができ、気道が狭くなったり刺激されたりして咳が出ます。
  • 結核: 結核菌が肺に感染し、咳、痰、発熱などの症状が現れます。慢性的な咳で、発熱、体重減少などを伴うことがあります。
  • 喘息: 気道の炎症が繰り返し起こり、発作的に咳が出ます。
  • 咳喘息: 喘息の一種で、咳が主な症状です。喘息と似た症状が出ますが、喘息の診断基準を満たさない場合に診断されます。
  • 副鼻腔気管支症候群: 副鼻腔炎が原因で気道が慢性的に炎症を起こし、咳が続きます。
  • 薬の副作用: 高血圧の薬や心臓の薬などが原因で咳が出る場合があります。
  • COPD:COPD Obstructive Pulmonary Disease)とは、慢性閉塞性肺疾患の略で、主に喫煙が原因で起こる肺の病気です。気管支が炎症を起こしたり、肺胞が破壊されたりすることで、呼吸が苦しくなるのが特徴です。
  • 気管支拡張症:気管支拡張症とは、気管支が異常に広がり、元に戻らなくなる病気です。まるで風船のように、気管支がふくらんでしまい、その中に痰が溜まりやすくなります。気管支が拡張してしまう原因は、まだ完全に解明されていませんが、次のようなことが考えられています。小児期の肺炎や百日咳など、繰り返す感染症によって気管支が傷つき、拡張してしまったり、 線毛機能不全症や、免疫グロブリンE(IgE)欠損症など、免疫系の異常が原因となることもあります。 一部の患者さんでは、遺伝的な要因が関与していると考えられています。症状としては 痰を伴う咳が長時間続いたり、黄色や緑色の粘り気のある痰が出ます。 肺機能が低下し、呼吸が苦しくなることがあります。また、拡張した気管支に細菌が感染しやすくなり、肺炎を繰り返すことがあります。咳をする際に血が混じることもあります。
  • 非結核菌好酸球症:非結核菌好酸球症は、非結核性抗酸菌(NTM)と呼ばれる細菌の一種が肺に感染し、その感染部位に好酸球という白血球の一種が多数集まることで起こる病気です。 乾いた咳や痰を伴う咳が長期間続きます。痰の色は様々で、血痰が出ることもあります。進行すると呼吸が苦しくなることがあります。食欲不振や発熱を伴い、体重が減少することもあります。全身のだるさや倦怠感を感じることがあります。
  • 新型コロナの後遺症:新型コロナの後遺症により、咳、息切れ、胸痛などが続くことがあります。

4.咳の薬にはどのようなものがある?

咳止め: 咳を鎮める薬ですが、むやみに使うと痰がからむ原因になることがあります。


①中枢性鎮咳薬

脳の咳中枢に作用し、咳の反射を抑制することで咳を止めます。

  • 麻薬性中枢性鎮咳薬: コデインやジヒドロコデインなどが代表的です。効果が強く、強い咳に対して用いられますが、依存性や呼吸抑制などの副作用があるため、医師の指示のもと使用されます。脳の延髄にある咳中枢に作用し、咳の反射を抑制することで咳を止めます。麻薬性鎮咳薬は、脳内のオピオイド受容体に結合し、痛みの感覚を抑制するだけでなく、咳中枢を抑制する作用もあります。
  • 非麻薬性中枢性鎮咳薬: デキストロメトルファンなどが代表的です。非麻薬性鎮咳薬は、脳内のセロトニン受容体に作用し、咳中枢の興奮を抑えます。麻薬性鎮咳薬に比べて副作用は少ないですが、効果もやや弱いのが特徴です。

②末梢性鎮咳剤

気道粘膜の受容体に作用し、咳の刺激を伝わるのを防ぐ、新しいタイプの薬です。気道粘膜の受容体に作用し、咳の刺激を伝わるのを防ぎます。ゲーファピキサントは、気道内のATPという物質が、P2X3受容体に結合することで、咳の信号が伝わり、咳が起きます。ゲーファピキサントはP2X3受容体にはたらいて咳の信号が伝わるのを防ぎ、咳を抑えます。

去痰薬: 痰を出しやすくする薬です。痰を出しやすくすることで、咳を間接的に抑えます。痰の粘性を低下させたり、気道の線毛運動を促進したりすることで、痰を出しやすくします。これにより、気道がクリアになり、咳が軽減されます。代表的な成分としてカルボシステイン、アンブロキソール、ブロムヘキシン、グアイフェネシンなどがあります。

気管支拡張剤: 気道を広げ、呼吸を楽にする薬です。気管支の筋肉を弛緩させ、気道を広げることで、呼吸を楽にします。これにより、咳の原因となる気道の炎症や狭窄を改善し、咳を軽減します。代表的な成分として、

①気道平滑筋のβ2受容体に作用し、気管支を拡張させることで呼吸を楽にするサルメテロール、サルブタモール、ホルモテロールなど、
②副交感神経の働きを抑制し、気道平滑筋を弛緩させることで気管支を拡張させるイプラトロピウム、チオトロピウムなど、
③気管支拡張作用に加えて、気道粘液の分泌を抑制したり、呼吸中枢を刺激したりする作用もあるテオフィリン、ジプロフィリンなどがあります。
これらは病気の種類や急性期、慢性期など、症状の程度によって適切な薬剤が異なります。

抗生物質: 細菌感染が原因の場合は、抗生物質が処方されます。

ステロイド剤: アレルギーや炎症を抑える薬です。

抗ヒスタミン薬: アレルギー性の咳に有効です。

5.薬以外の咳の対処法

薬だけに頼らず、咳を和らげるためにできることはたくさんあります。生活習慣の見直しや、自然療法など、様々な方法を試してみましょう。

生活習慣の見直し

  • 水分補給: ぬるま湯やハーブティーなど、温かい飲み物をこまめに飲むことで、のどの乾燥を防ぎ、咳を鎮めます。ただし、痰が絡む咳の場合、水分のとり過ぎはかえって痰を増加させますので、水分のとり過ぎは注意が必要です。
  • 加湿: 空気中の湿度を上げることで、のどの粘膜を保護し、咳を軽減します。加湿器を使うほか、濡れたタオルを干したり、洗面器に熱湯を張るなど、簡単な方法でも効果があります。
  • 入浴:温かいお湯に浸かることで、体が温まり、血行が良くなります。これにより、免疫力が高まり、風邪の回復を早める効果が期待できます。また、温かい蒸気が気道を潤し、痰を出しやすくする効果があります。そして、 温かいお湯に浸かることで、心身がリラックスし、次の項目にある睡眠の質が向上します。ただし、熱すぎるお湯や高熱、疲労感があるときなどは逆効果になることもありますので注意が必要です。
  • 休息: 十分な睡眠をとることで、体の抵抗力を高め、咳の回復を早めます。
  • 温める: 首や胸を温めることで、気道を温め、咳を鎮めます。マフラーやカイロなどを活用しましょう。
  • 禁煙: 喫煙は気道を刺激し、咳を悪化させます。禁煙することで、咳の症状が改善する可能性があります。

自然療法

  • 蜂蜜: 蜂蜜には殺菌作用があり、のどの痛みを和らげ、咳を鎮める効果が期待できます。温かいハーブティーに混ぜて飲むと効果的です。
  • 生姜: 生姜には体を温める作用があり、気道をクリアにする効果があります。生姜湯や生姜紅茶を飲むのもおすすめです。
  • ハチミツとレモン: ハチミツの殺菌作用と、レモンのビタミンCによる免疫力向上効果が期待できます。温かいお湯に混ぜて飲みましょう。
  • ハーブティー: カモミール、マシュマロ、ペパーミントなどのハーブティーには、鎮咳作用や抗炎症作用があると言われています。
  • アロマセラピー: ラベンダーやユーカリなどのアロマオイルを焚くことで、リラックス効果が得られ、咳を鎮める効果が期待できます。
  • ハチミツと大根:はちみつ大根は、古くから家庭療法として親しまれてきた、自然な咳止めシロップです。はちみつの殺菌作用と大根の消炎作用が組み合わさることで、喉の痛みや咳を和らげる効果が期待できます。

その他

  • 呼吸法: 深呼吸や腹式呼吸を行うことで、リラックス効果が高まり、咳が落ち着くことがあります。
  • ストレッチ: 肩や首の筋肉をほぐすことで、呼吸が楽になり、咳が軽減されることがあります。
  • ツボ押し:東洋医学で古くから活用されてきた自然療法の一つです。天突(てんとつ)、中府(ちゅうふ)、尺沢(しゃくたく)、定喘(ていぜん)、豊隆(ほうりゅう)などがあります。治療の補助的なものとして用いると効果的な場合があります。
  • 食生活: バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンやミネラルを積極的に摂取しましょう。

ただし、咳が長引く場合は医療機関にかかられることをおすすめします。

とくに、以下のような場合はすぐに医師に診察を受けてください。

  • 咳が2週間以上続く
  • 高熱がある
  • 呼吸困難がある
  • 痰に血が混じる
  • 胸痛がある

6.まとめ

以上、咳が続く場合に考えられる病気や対処法について書き連ねてまいりましたが、ひとまず、(繰り返しになりますが、)咳が長引く場合は医療機関にかかって診察を受けられることをおすすめします。(特に急を要する場合は上記にあります。)

そして、まとめに入ります。

端的に言いますと、咳が出るということは、原因はどのようなものであれ、気管支の粘膜が過敏になっていて、さまざまな刺激に反応してしまった結果であるということになります。

そのため、病気の種類や急性期、慢性期など、症状の程度によって適切な薬剤が異なることは前の章でもお伝えしましたが、薬はあくまでも対症療法であり、根本治癒を目指すには「自分の治す力」を上げていくしかありません。(=外界からのバリア機能を強化していく)

まず、炎症を鎮め過敏になっている粘膜を落ち着かせ、そして粘膜を強くすること。繰り返しになりますが、粘膜を強くすることとは外敵や刺激から身を守ることに他なりません。

そして、それには、治療と並行しながら、日頃からの生活や食べるものの養生が肝要になってきます。

咳の症状に悩んでおられる方は、今と同じ生活、食生活では、薬や健康食品など、どのような良いものを摂っていても、なかなか素早い改善は得にくいのではないでしょうか。

また、なかには生まれつき肺系が弱い方もおられますが、そのような方も同様に生活や食べるものの見直しをすることにより、肺系を強化していくことは十分可能です。

そのうえで病院の薬なり、我々がおすすめするような漢方を摂られると、より早い回復が期待できると思います。

新型コロナの流行以来、コンコン、ゴホンゴホンと続く咳は周りに何か思われるのでは・・・と余計なストレスがかかります。

それより何より、本人がとても体力を奪われます。(実は激しい咳は心臓にも大きな負担になります。)

東洋医学では「肺」は呼吸により取り入れた「天の気」を全身に分配するという役目があります。

そんな「気」の分配がうまく行われなくなるのでしんどいのは当たり前です。

このような大切な働きをする肺系(呼吸器系)の粘膜を強化することは、すなわち体の元気を担保することにつながります。

もし、なかなか良くならない咳、しつこい咳に悩んでおられる方がありましたら、こきあ相談薬店の私たちがいつでもお話をお聞きします。

元気にはつらつとした生活を取り戻しましょう!!

                        こきあ相談薬店 薬剤師 芳田里美

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