ヘパーデン結節やブシャール結節などの関節の腫れに悩んでおられる女性が多いようです。指の関節が変形してくるのは、とても辛いことですよね。
これらは女性ホルモンが深く関連していることはわかっているとはいえ、そのメカニズムはまだ十分に解明されていないようです。
さらには年齢を重ね、転倒などで大腿骨を骨折し、その後のQOLが下がってしまうのも女性の方が多い傾向にあります。これは女性の方が女性ホルモンの減少により骨粗しょう症になりやすいことが理由の一つです。
本日はそんな女性と関節についてのお話をさせて頂きたいと思います。
もくじ
1.女性ホルモンと関節
2.さまざまな関節のトラブル
3.関節にトラブルが起こったら
4.関節のトラブルと東洋医学
5.まとめ
1。女性ホルモンと関節
関節の柔らかさは遺伝である。という話を昔教わったことがあります。
なるほど、遺伝的な要素として、
- 関節の構造: 関節の形状や靭帯の柔軟性などは、遺伝的に受け継がれる部分があります。生まれつき関節が柔らかく、柔軟性が高い人もいれば、関節が硬く、柔軟性が低い人もいます。
- 筋肉の組成: 筋肉の繊維の種類や割合も遺伝の影響を受けます。速筋繊維が多い人は瞬発力に優れる一方で、遅筋繊維が多い人は持久力に優れる傾向があります。筋肉の組成は、関節の柔軟性にも影響を与える可能性があります。
おそらく上記のようなことから、そう教わったのでしょう。
一方で、以下のような後天的な要素でも関節の柔らかさは変わるようです。
運動習慣: 定期的なストレッチや運動は、関節の柔軟性を高める効果が期待できます。幼少期から運動習慣を身につけることで、柔軟性を向上させることができます。
生活習慣: 座りっぱなしの生活や、同じ姿勢を長時間続けることは、関節を硬くする原因になります。
年齢: 加齢とともに、筋肉や関節の柔軟性は低下する傾向があります。
怪我や病気: 関節を痛めた経験や、関節炎などの病気は、関節の柔軟性を低下させることがあります。
さて。
個人差がかなりあるようですが、一般的に女性の方が男性より柔軟性が高いと言われているようです。その理由の一つに、関節を柔軟にする働きがあるといわれている女性ホルモンの影響があるようです。
エストロゲンが関節を柔軟にするメカニズムはまだ完全に解明はできていないようですが、以下のようなことがわかっています。
- コラーゲン生成の促進: エストロゲンは、軟骨の主要成分であるコラーゲンの生成を促進します。コラーゲンは、軟骨の弾力性や強度を保つ上で重要な役割を果たしており、その生成促進は、軟骨の健康維持に繋がります。
- 軟骨細胞の保護: エストロゲンは、軟骨細胞の生存を促進し、その機能を維持する働きがあります。軟骨細胞は、軟骨の代謝や修復に関わる重要な細胞であり、エストロゲンによる保護は、軟骨の損傷を抑制する効果が期待できます。
- 炎症抑制効果: エストロゲンには、炎症を抑える作用があります。関節炎などの炎症性疾患は、軟骨の破壊を加速させるため、エストロゲンの抗炎症作用は、軟骨の保護に繋がります。
- 軟骨への栄養供給の促進: エストロゲンは、軟骨への栄養供給を促進する働きがある可能性も指摘されています。軟骨は血管を持たないため、栄養は関節液から拡散によって供給されます。エストロゲンが軟骨への栄養供給を促進することで、軟骨の健康が維持されます。
- 骨代謝への影響: エストロゲンは、骨の代謝にも深く関わっており、骨の健康維持に貢献します。骨の健康は、間接的に関節の安定性にも影響を与えます。
上記のことから、
女性は更年期を迎えると、エストロゲンの分泌が低下するため、これらの保護作用が弱まり、関節のトラブルが起こりやすくなります。具体的には、以下の様なことが起こりえます。
- 軟骨のすり減り: コラーゲンが不足することで、軟骨が薄くなり、関節軟骨がすり減りやすくなります。
- 関節炎の発症: 炎症が慢性化することで、関節炎を発症するリスクが高まります。
- 骨粗鬆症: エストロゲンの減少は、骨粗鬆症のリスクも高めます。骨粗鬆症になると、骨折のリスクが高まり、関節の安定性が損なわれる可能性があります。
女性ホルモンの変化に加え、以下のような関節の働きへの影響があるものがあります。
妊娠・出産: 妊娠中は、関節に大きな負担がかかり、出産後も関節が緩みやすくなることがあります。
加齢: 加齢に伴い、関節軟骨がすり減ったり、関節の動きが悪くなったりします。
生活習慣: 運動不足、肥満、不適切な姿勢などは、関節に負担をかけ、トラブルの原因となります。
2.さまざまな関節のトラブル
さまざまな関節のトラブルには以下のようなものがあります。
・変形性関節症: 軟骨がすり減り、関節が変形する病気です。特に膝関節に多くみられます。加齢や肥満、女性ホルモンの減少などが原因です。
・関節リウマチ: 自身免疫疾患の一種で、関節に慢性的な炎症が起こり、痛みや腫れが生じます。
・腱鞘炎: 手首や指の腱が炎症を起こし、痛みや腫れが生じます。
・バネ指: 指を曲げたり伸ばしたりする際に、引っかかりを感じたり、パチンと音が鳴る症状です。妊娠中や閉経期に多くみられます。
・ヘバーデン結節: 指の第一関節(爪に近い方の関節)が腫れて変形する病気です。
・ブシャール結節: 指の第二関節(中間関節)が変形します。
・乾癬性関節炎: 皮膚の病気である乾癬を伴う関節炎で、手指の関節に腫れや痛みが出ることがあります。
・痛風: 血中の尿酸値が上昇し、関節に尿酸結晶が溜まることで激しい痛みが生じます。激しい痛み、腫れ、発赤を伴う急性発作を繰り返すのが特徴です。(40~60代で男性の方が多い。)
・偽痛風: 関節にピロリン酸カルシウムという物質が関節に沈着することで起こる急性関節炎で、ヘバーデン結節と同様に指の関節に痛みや腫れが出ることがあります。(60代以上で男女差はあまりない。)
・肩関節周囲炎: 肩の関節とその周囲の組織に炎症が起こり、肩が痛む病気です。
・腰椎椎間板ヘルニア: 腰椎の椎間板が飛び出し、神経を圧迫して痛みやしびれを起こす病気です。
・鼠径部痛症候群: 筋肉や腱の炎症が原因で、鼠径部に痛みを感じます。
・大腿骨頸部骨折: 高齢者によく見られる骨折で、転倒などが原因となります。
・スマホ首(ストレートネック):下を向いた姿勢で長時間過ごすことで、首に負担がかかり、ストレートネックになりやすくなります。首の痛みだけでなく、全身に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
以上のように関節のトラブルには、男女関係なく起こるもの、女性に多く起きやすいもの、男性に多い傾向があるもの、様々です。
3.関節にトラブルが起こったら
まず、大前提として、以下のような症状があれば、まず専門の医療機関にかかられることをお勧めします。
大きな病気が見つかる場合や、素早く対処できることにより早い回復が見込めることもあるからです。
医療機関を受診する目安としては、
- 痛みや腫れが数日以上続く
- 日常生活に支障が出るほどの痛みがある
- 関節が変形している
- 熱がある
- 原因不明の痛みがある
そのうえで、自分でできる対処方法をいくつかご紹介します。
関節のトラブルに共通する対処法
- 安静: 関節に負担をかけないように、安静にすることが大切です。
- 冷やす: 腫れや熱がある場合は、氷などで冷やすことで炎症を抑えます。
- 温める: 痛みやこわばりが強い場合は、温めることで血行が促進され、痛みが和らぐことがあります。
※冷やす、温めるの目安は、お風呂に入った時に痛みが和らぐか増すかが目安です。
- 痛み止め: 市販の痛み止め薬を服用するのも一つの方法ですが、用法・用量を守って使用し、心配な場合は医師に相談しましょう。とくに痛み止めは胃腸障害などの副作用がでやすい薬ですので、安易に服用を続けることは体によくありません。医師からの薬には胃腸に影響の出ない薬もありますので、そのような薬を処方してもらうのも一案です。
関節にトラブルが起きたとき、ご自身がどのような状態かによって、適切な対処法が変わってきます。まずは、どのような症状が出ているのかを具体的に把握することが重要です。
具体的な対処法
症状別に、どのような対処法が考えられるか、いくつか例を挙げます。
- 痛み:
- 冷やす、温める、安静、痛み止め
- 関節に負担をかけない姿勢を保つ
- 医師に相談し、適切な治療を受ける
- 腫れ:
- 冷やす、安静、弾性包帯で固定
- 医師に相談し、炎症を抑える薬を処方してもらう
- 熱感:
- 冷やす、安静、医師に相談し、感染症の可能性を調べる
- こわばり:
- 温める、軽い運動、ストレッチ
以上のような対処法がありますが、(繰り返しになりますが)症状が急激な場合や慢性的で生活に差し支える場合には以下のような対処をお勧めします。
- 急に痛みが発生し、腫れや熱がある場合:
- 速やかに医療機関を受診しましょう。関節炎や感染症の可能性があります。
- 慢性的に痛みが続き、日常生活に支障が出る場合:
- 整形外科、リウマチ科などの専門医を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
4.関節のトラブルと東洋医学
東洋医学では「気」や「血」が関節に滞ることで、痛みやこわばり、腫れなどの症状が現れると考えられています。
東洋医学では、関節の痛みの原因として、以下のものが挙げられます。
- 外からの邪気の影響: 風、寒、湿などの邪気が体内に侵入し、経絡を阻害することで、気血の流れが悪くなり、関節の痛みが生じると考えられています。(体が冷えることによる痛みなどがこれにあたります。)
- 内臓の機能低下: 五臓六腑(ごぞうろっぷ)と呼ばれる内臓の機能が低下すると、気血の流れが悪くなり、関節に痛みが出ることがあります。(ホルモンバランスの乱れや低下などがこれにあたります。)
- ストレス: ストレスは、気の流れを乱し、筋肉を緊張させ、関節の痛みを引き起こすことがあります。
東洋医学には、気血水の流通が障害されると痛みが生じると考え「不通則痛」(=通じざればすなわち痛む)や、十分に栄養されないことによる痛みのことを指す、「不栄則痛」(=栄えざればすなわち痛む)という言葉があります。栄とは栄養のことです。
気血水が十分になくても、気血水が十分に巡らなくても不都合なことが起こるということですね。
これは関節のみならず、身体全身にいえることです。
従って、関節そのものというよりも、全身の様子をみながらいろいろと対処法を考えてアプローチしていくのが東洋医学の考え方です。
東洋医学的アプローチには漢方薬や鍼灸などがあります。
5.まとめ
私事ですが、先日、大阪は心斎橋にありますオムライスの老舗「北極星」というお店に行ってきました。(これを話せば長くなりますが・・・、ずっと観ているユーチューバーさんが行っておられて、以前よりずっと行ってみたかったお店だったんです・・・って言っとるやないか~~い。しかも短いし。(;^_^A・・・あはは)
ふる~~~~~~~~い家屋を利用した(といいますか、もともとお店がずっとそこで営業されているのか)お店で、したがって今時珍しいお座敷の客席でした。
私は膝の半月板を割っておりますので正座ができません。しばし、お姉さん座りをして小一時間、オムライスを堪能したわけでありますが・・・・
さて、帰ろ!と、立とうとしたものの、立てない。ときた。
「・・・・・?????・・・・・なんで????」
どうにかこうにかして、やっとの思いで立ち上がることが出来ました。
・・・・私の膝と股関節、やばいな。
また、このブログを書くにあたり、自分の手の指をまじまじと眺めた時には、左手のお母さん指とお兄さん指の第一関節から先が向きが変わっているのに気が付きました・・・・・(´;ω;`)ウゥゥ
朝、目が覚めた時、手の指がこわばっているのは私だけではないようで、先日ZOOMでうけた講演会のゲストの生島ヒロシさんも同じようなことを言われていました。
何が言いたいかというと、年齢を重ねると、ある程度は関節に不具合が出てくるということです。(リウマチや急性の炎症性の関節炎などの病変は別として)
そして、いままでの章で述べてきたことから、それらを少しでも進行を遅く、軽くするためには、やはり養生、特に体を冷やさないこと。特にこれからの季節は、積極的に温めてあげること。これが一番大切なことではないかと思います。
首、手首、足首の3つの首にプラス、くびれ(=おなか)を含めた4つの首を温めることにより、全身に温かい血液が巡ります。
それに加え、軽い運動やストレッチなどをこまめに行うと、血流がよくなり自律神経の働きやホルモンバランスが整い、免疫力も上がります。
運動ができない方は温めるだけでも十分です。
これは関節の健康だけでなく、全身の健康増進につながります。
古くなった機械や車をいつまでも使い続けるためには、こまめにメンテナンスする必要があります。
人の体も同じで、こまめにメンテンナスすることにより、いつまでも関節の健康、ひいては全身の健康が維持できます。
関節の痛みや、関節の健康を維持するために、こきあ相談薬店では関節に特化した漢方やコラーゲン食品、燕の巣などをお勧めしています。また、温灸体験もしていただけます。
詳しいお話を知りになりたい方はぜひ、こきあ相談薬店までご連絡お待ちしております。
みんなで関節の健康を維持してゆきましょう!!!
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
こきあ相談薬店 薬剤師 芳田里美
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