女性の生理と体調に関する悩みと対処法

いろいろな会社の調査によると、約8~9割の女性が生理についてなにかしらトラブルを抱えているようです。
我慢できないほどではないからと、不調をかかえながら仕事をしたり、中には日常生活にも支障が出るほどの症状に
悩まされておられる方もたくさんあります。
女性が生理について抱える悩みは多岐にわたりますが、このブログでは特に多いものをいくつかご紹介し、
その対処法もお話していきます。

もくじ   1.生理とは
      2.生理にまつわる体のトラブルについて
      3.生理にまつわる心のトラブルについて
      4.不調の対処法について
      5.東洋医学からみた生理について
      6.まとめ

1.生理について

まずこの章では生理の仕組みについてお話します。

女性が10歳~16歳頃になると生理が始まります。
ただし、これはとても個人差が大きく、9歳~17歳くらいまでの間に始まっても正常な範囲と言われています。

生理周期は、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンによってコントロールされています。

月経期: プロゲステロンの分泌量が減少し、子宮内膜が剥がれて血液とともに排出されます。

卵胞期(排卵前): エストロゲンが徐々に多くなり、子宮内膜を厚くして受精卵が着床しやすい状態を作ります。

黄体期(排卵後): プロゲステロンが徐々に多くなり、受精卵が着床しなかった場合は、子宮内膜を剥がして体外へ排出する準備をします。

以上のような生理周期により、生理が起こります。

が、しかし、生理は、単に不要な子宮内膜が排出される現象ではなく、女性ホルモンのバランスによって様々な変化が起こる、とても複雑な仕組みを持っています。

また、エストロゲンは、女性らしい体つきや生殖機能の発達、維持に重要な役割を果たすだけでなく、その作用は全身に及びます。
具体的には、以下のような作用があります。

1生殖器官の発達・維持

  • 子宮内膜を厚くし、受精卵が着床しやすい状態を作る
  • 子宮や膣、卵管などを発達・維持する
  • 乳房の発達を促し、母乳育児の準備をする

2. 女性らしい体つきの形成

  • 皮膚を滑らかにし、ハリを与える
  • 体脂肪を蓄積しやすくする
  • 丸みのある体つきを作る
  • 骨密度を高める

3. その他の作用

  • 脳の機能を活性化し、記憶力や集中力を高める
  • コレステロール値を下げ、動脈硬化を防ぐ
  • 骨粗鬆症の予防に効果がある
  • 血管を拡張し、血圧を下げる
  • 肌の老化を抑制し、シワやたるみを予防する

このような全身への作用はエストロゲン単独ではなく他のホルモンと連携しながら調節しています。

このように、身体の機能というものは様々なものが複雑に作用しながら営まれています。

2.生理にまつわる体のトラブルについて

この章では体に起こる生理にまつわる様々なトラブルについてお話します。

  • 生理痛: 下腹部や腰の痛み、頭痛、吐き気など、生理に伴う様々な痛みが日常生活に支障をきたすことがあります。

   生理痛は、プロスタグランジンという子宮内膜から分泌されるホルモンの一種の過剰分泌が原因で起こります。
   プロスタグンジンは、子宮を収縮させて経血を排出する働きがありますが、過剰に分泌されると、
   子宮が強く収縮し、痛みを引き起こます。
   生理痛が日常生活に支障が出るほどひどい場合は、月経困難症の可能性があります。

  • 過多月経: 経血量が多く、頻繁にナプキンを交換する必要があるなど、日常生活に支障をきたすことがあります。

   月経過多になる原因は様々ですが、主なものとして以下が挙げられます。

   生理を司るホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れることで、子宮内膜が厚くなりすぎたり、
   剥がれ方が不規則になったりすることがあります。
    子宮筋腫、子宮内膜症、子宮ポリープなど、子宮の病気によって出血量が増えることがあります。
   血友病などの血が止まりにくくなる病気によって、月経過多になることがあります。
   IUD(子宮内避妊具)の中には、月経過多を引き起こす可能性があるものもあります。
   その他、ストレス、栄養不足、薬の副作用など、様々な要因が考えられます。

  • 不正出血: 生理以外のタイミングで出血がある場合、病気の可能性もありますので、早めに婦人科を受診することが大切です。

   不正出血が起こる主な原因として以下のようなものがあります。
   生理周期を司るホルモンのバランスが崩れることで、不正出血が起こることがあります。
   ストレス、生活習慣の変化、避妊薬の使用などが原因となることがあります。
   子宮筋腫、子宮内膜症、子宮ポリープなど、子宮の病気によって出血が起こることがあります。
   クラミジアやトリコモナスなどの性感染症が原因となることもあります。
   早期に発見できれば治る可能性の高い病気ですが、不正出血は子宮頸がんや子宮体がんなどの婦人科がんなどの初期症状の一つ
   であることがあります。
   その他に、妊娠初期の出血、子宮内避妊具の使用、外傷など、様々な原因が考えられます。

  • 月経前症候群 (PMS): 生理前に頭痛、イライラ、肌荒れ、むくみなどの症状が現れます。

   まだ完全に解明されていませんが、女性ホルモンの変動が大きく関わっていると考えられています。
   排卵から月経までの黄体期に、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が急激に変化します。
   このホルモンの変動が、脳内神経伝達物質のバランスを乱し、PMSの様々な症状を引き起こすと考えられています。
   セロトニンなどの神経物質のバランスが乱れることで、イライラ感や抑うつ気分、不安感などの
   精神的な症状が現れると考えられています。
   その他の要因として、ストレス生活習慣の乱れ(不規則な睡眠、不摂生な食生活など)
   カフェインやアルコールの過剰摂取、遺伝的な要因などがあると考えられています。

月経困難症: 生理痛がひどく、日常生活に支障をきたす状態です。

  月経困難症の原因は、主に以下の2つに分けられます。

  機能性月経困難症
   子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質が過剰に分泌されることで、子宮が強く収縮し、痛みを引き起こします。
   子宮の出口である子宮頸管が狭いと、経血がスムーズに出せず、子宮内にたまりやすくなり、痛みを伴う場合があります。
   ストレス、冷え、生活習慣の乱れなどが、プロスタグランジンの分泌を促し、痛みを悪化させる可能性があります。

  器質性月経困難症
  子宮内膜症: 子宮内膜と似た組織が子宮以外の場所にでき、月経時に出血して炎症を起こし、痛みを引き起こします。
  子宮筋腫: 子宮にできた筋肉の腫瘍が子宮を圧迫したり、出血を起こしたりして、痛みを引き起こします。
  子宮内膜が子宮の筋肉層に侵入し、月経時に出血して痛みを引き起こします。
  子宮の奇形: 子宮の形に異常がある場合、経血が滞りやすくなり、痛みを引き起こすことがあります。

  これらの原因により、下腹部痛、腰痛、頭痛、吐き気、下痢、めまい、倦怠感などの症状が日常生活に支障をきたすほど酷いことです。

生理不順

  生理不順とは、月経周期や出血量などが、通常の状態から大きく外れている状態を指します。
  具体的には、以下の様な症状が挙げられます。
  ・月経周期の変化
   月経周期が短い(25日未満) 
   月経周期が長い(38日以上)
   月経周期が不規則
  ・出血量の変化
   出血量が多い(経血量が多い、経血に塊が混ざる) 
   出血量が極端に少ない(数滴程度)
   無月経(全く経血が出ない)
  ・その他の症状
   生理痛がひどい
   月経期間が長い(7日以上)
   月経が短い(1~2日)
   不正出血

  生理不順の原因は様々で、甲状腺機能低下症、多嚢胞性卵巣症候群などのホルモンバランスの乱れや、
   仕事や人間関係などによるストレスによるホルモンバランス乱れ、
   不規則な睡眠、激しいダイエット、過度な運動などの生活習慣の乱れ、
   子宮内膜症、子宮筋腫、子宮がんなどの病気によるものなどが考えられます。

  生理不順が気になる場合は、自己判断せずにまずは婦人科を受診することをおすすめします。

 3.生理にまつわる心のトラブルについて

続いては生理にまつわる心のトラブルについてお話します。

なぜ生理が心に影響を与えるのか?

  • 生理周期に伴い、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンのバランスが大きく変動します。このホルモンバランスの変化が、脳内の神経伝達物質に影響を与え、感情のコントロールを難しくしてしまうことがあります。
  • セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質は、気分や感情を調節する上で重要な役割を果たしています。生理前後のホルモンバランスの変化は、これらの神経伝達物質のバランスを崩し、精神的な症状を引き起こす可能性があります。
    ホルモンはそれぞれ単独で働くのではなく、互いに関連しあって様々な体の機能を維持していることを前章でお話ししたとおりです。

そしてそれらが引き起こす症状として、
PMS(月経前症候群): 生理の1週間前から始まるイライラ、憂鬱感、頭痛、食欲の変化などの症状が代表的です。
PMDD(月経前不快気分障害): PMSの症状がより重く、日常生活に支障をきたす状態です。
その他の症状: 不安感、集中力の低下、眠気、疲労感、抑うつ状態など
個人差はありますが、様々な症状が現れることがあります。

生理による心の影響は、個人差が非常に大きいです。症状の出方や程度は、人によって異なります。

また、生理以外にも、ストレス、睡眠不足、生活習慣の乱れなどが、心の状態に影響を与えることがあります。
PMSやPMDDと似た症状が続く場合は、他の病気の可能性も考えられます。
例えば、甲状腺機能亢進症ではイライラや焦燥感などが現れますし、
精神的な病気も同じように不安感、集中力の低下、眠気、疲労感、抑うつ状態が現れることがあります。

これらの症状が続く場合は自己判断せずに医療機関にかかることをお勧めします。

4.不調の対処法について

まずは一般的な対処法からです。

・体を温める: お腹や腰を温めることで血行が促進され、痛みが和らぐことがあります。カイロや湯たんぽ、半身浴などがおすすめです。

・休息: できるだけ安静にし、体を休ませましょう。

・バランスの取れた食事: 鉄分やビタミンを意識して、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

・軽い運動: 適度な運動は血行を促進し、痛みの緩和に役立つことがあります。ただし、無理のない範囲で行いましょう。

・鎮痛剤: 生理痛が強い場合は、市販の鎮痛剤を服用することも検討しましょう。ただし、用法・用量を守って使用し、心配な場合は医師または薬剤師にご相談ください。

症状別の対処法

・生理痛・・・原因: プロスタグランジンという物質が過剰に分泌されることが原因の一つと考えられています。
       対処法: 鎮痛剤の服用、温熱療法、軽い運動など

  • 頭痛:・・・原因: 生理痛に伴う痛みや、ホルモンバランスの変化が原因と考えられています。
         対処法: 暗く静かな場所で休む、冷湿布を当てる、カフェインを控えるなど
  • むくみ・・・原因: ホルモンバランスの変化に加え、、塩分の摂りすぎも原因の一つと考えられています。
          対処法: 塩分を控えめにし、カリウムを多く含む食品を摂る、マッサージをするなど
  • イライラ・・・原因: ホルモンバランスの変化に加え、睡眠不足も原因の一つと考えられています。
           対処法: 十分な睡眠をとる、リラックスできる時間を設ける、深呼吸をするなど

もし、生理のまつわる不快な症状が日常生活に支障をきたす場合は、医療機関を受診することをおすすめします。

  • ピルの利用: 生理痛や生理不順の改善に、低用量ピルが有効な場合があります。
  • 漢方薬: 体質に合わせて漢方薬を選ぶことで、症状の改善が期待できます。

5.東洋医学からみた生理について

東洋医学では、生理は単なる出血現象ではなく、女性の体全体のバランスを示す重要な指標の一つと捉えられています。

東洋医学における生理の考え方

  • 気血の巡り: 生理は、体内の気(エネルギー)と血がスムーズに巡っていることを示すバロメーターです。
  • 五臓六腑との関連: 生理は、肝、腎、脾などの五臓六腑の働きと深く関わっています。これらの臓器のバランスが崩れると、生理不順や生理痛などの問題が起こりやすくなります。
  • 体質との関係: 生理の症状は、その人の体質によって大きく異なります。東洋医学では、体質を「陰陽五行」の理論に基づいて分類し、それぞれの体質に合ったケアを行います。

  • 東洋医学で考える生理の時の不調
  • 生理痛: 気滞(気の巡りが悪い)、寒凝(冷え)、血瘀(血の巡りが悪い)などが原因と考えられます。
  • 生理不順: 肝、腎、脾の機能低下、ストレス、生活習慣の乱れなどが原因として挙げられます。
  • PMS(月経前症候群): 肝の気滞、腎の陰虚などが原因と考えられます

東洋医学での生理の時の対処法

東洋医学では、生理の不調に対して、以下のようなケアを行います。

  • 漢方薬: 体質や症状に合わせて、漢方薬を処方します。
  • 鍼灸: 経穴(ツボ)に鍼を刺したり、灸を据えることで、気血の巡りを改善し、痛みを緩和します。
  • 食養生: 体質に合った食事を摂ることで、体の内側から温め、血行を良くします。
  • 生活習慣の改善: 十分な睡眠、適度な運動、ストレスの軽減など、生活習慣を見直すことで、体全体のバランスを整え

東洋医学から生理をケアする魅力

東洋医学は、西洋医学とは異なる視点から女性の体を捉え、根本的な原因から改善を目指す点が特徴です。

  • 体全体のバランスを整える: 生理の不調だけでなく、体全体のバランスを整えることで、より根本的な改善が期待できます。
  • 体質に合わせたケア: 個人差の大きい女性の体に合わせた、オーダーメイドのケアを受けることができます。
  • 自然な療法: 薬だけに頼らず、食養生や生活習慣の改善など、自然な方法で体と心を癒すことができます。

まとめ

女性は生理が始まった時から何十年と生理に付き合っていかなければなりません。思えば気が遠くなるくらいの日々です。

例えば12歳に初潮を迎え50歳に閉経し、その間、規則正しく28日周期で約5日間生理があったとすると、生涯における生理の期間は約2300日。
年に換算すると6年以上毎日出血がある。
ということになります。(もちろん、これはあくまでも例で、人により違います。なかには生理が3日で終わるという人もいれば、7日続くという人もあります。途中、妊娠・出産により生理がない時期がある人もあります。)

改めて考えると本当に膨大な日々です。

現代は公私ともに様々な立場や生活形態の女性が増え、その心身のストレスから、生理時の不調を訴えられる方が、本当に多いような気がします。

上記のような膨大な日々を不調で過ごすのか、快適に過ごすのかにより、人生の質はずいぶんと違ってくるのではないでしょうか。

自分でできそうな対処法はまず、自分でやってみる。

特に現代の女性は知らず知らずのうちに体が冷えてしまっていることがありますので、湯船につかる入浴はできれば毎日(が無理ならば、せめて週の半分)、
そして冷たい飲み物や食べ物、生野菜など体が冷えるような飲食物はできるだけ控え、薄着をやめて、靴下や腹巻をして、特に下半身を冷やさないような生活を心がけてください。

また、交感神経優位の生活も血流が悪くなりますので、スマホやパソコンの使用はできるだけ控え、ストレスは適宜解消し、夜更かしは止め、規則正しい生活を送るようにする。

大切な気血が作られなくなるため、ダイエットや偏った食生活はやめ、三食規則正しく、いろいろな物を、美味しくいただく。

などなど、心身に負担のないような生活を心がけ、自分の心と体を大切にしてあげてください。

それでも不調が改善しないときは我々のような薬局薬店や医療機関にかかられることをおすすめします。

もちろん、こきあ相談薬店でもご相談を受け付けております。

お一人おひとりのお話をじっくり聞くことにより、その方の何が多すぎるのか?何が足りていないのか?どこに偏りがあるのか?などを一緒に考え最適な解決方法をご提案していきます。

生理の不調など吹っ飛ばして、明るく笑って毎日を楽しみましょう。

                                          こきあ相談薬店  薬剤師 芳田里美

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