食事をすると誰でも血糖値は上がりますが、その上がり方や下がり方に問題があると、体に様々な不調を引き起こすことがあります。ここでは、血糖値の急激な変動である「血糖値スパイク」と、血糖値が異常に下がる「低血糖」、そして食後に血糖値が異常に高く上がる「食後高血糖」について、分かりやすく解説します。

血糖値スパイク:急激な乱高下が血管を傷つける

血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上昇し、その後急降下する現象のことです。健康診断の空腹時血糖値が正常でも起こりうるため、見過ごされがちですが、血管に大きな負担をかけ、動脈硬化を進行させるリスクがあります。

血糖値スパイクの主な原因

  • 早食い・ドカ食い: 血糖値が急激に上昇しやすくなります。
  • 炭水化物中心の食事: 特に精製された炭水化物(白米、パン、麺類、砂糖など)は血糖値を急激に上げます。
  • 食物繊維の摂取不足: 食物繊維は糖の吸収を緩やかにする働きがありますが、不足すると血糖値が急上昇しやすくなります。
  • 運動不足: 食後の血糖値を消費する機会が少ないと、血糖値が上がりやすくなります。
  • インスリン抵抗性: インスリンの働きが悪くなっていると、血糖値が下がりにくいことがあります。

血糖値スパイクの症状(起こっても気づきにくいことが多い)

  • 食後の強い眠気
  • 食後の倦怠感
  • 集中力の低下
  • イライラしやすい
  • 動悸
  • 冷や汗

これらの症状は、血糖値が急激に変動する際に起こることがありますが、一時的なものとして見過ごされがちです。

血糖値スパイクの対策

  • ゆっくりよく噛んで食べる: 満腹感を得やすく、血糖値の上昇を緩やかにします。
  • 食べる順番を意識する(ベジファースト): 野菜、きのこ、海藻類などの食物繊維を最初に摂り、次にタンパク質、最後に炭水化物を摂るようにしましょう。
  • GI値の低い食品を選ぶ: 全粒穀物、玄米、食物繊維の多い野菜などを積極的に摂りましょう。
  • 適度な運動を食後に行う: 食後30分程度のウォーキングなどの軽い運動は、血糖値の上昇を抑える効果があります。
  • 間食を控える: 特に甘いものや炭水化物中心の間食は避けましょう。

低血糖:血糖値が下がりすぎて危険な状態

低血糖とは、血液中のブドウ糖濃度が異常に低くなった状態です。重症化すると意識障害や昏睡を引き起こす可能性があり、非常に危険です。糖尿病の治療薬(インスリン注射や一部の血糖降下薬)を使用している人に起こりやすいですが、血糖値スパイクの人も低血糖が起きている場合が多いです。

低血糖の主な原因

  • 糖尿病治療薬の過剰な使用: インスリン注射や血糖降下薬の量が多すぎる場合。
  • 食事の遅れや欠食: 薬の作用時間と食事のタイミングが合わない場合。
  • 激しい運動: 運動によってブドウ糖が急激に消費される場合。
  • アルコールの過剰摂取(特に空腹時): 肝臓でのブドウ糖の産生が抑制されることがあります。
  • インスリノーマなどの病気(まれ): 膵臓のインスリンを過剰に分泌する腫瘍など。

低血糖の主な症状

  • 冷や汗
  • 動悸
  • 手の震え
  • 強い空腹感
  • めまい
  • 脱力感
  • 頭痛
  • 集中力の低下
  • 意識障害、昏睡(重症の場合)

低血糖への対策

  • 糖尿病治療を受けている場合は、医師や管理栄養士の指示を必ず守る: 薬の量や食事のタイミングを自己判断で変更しないようにしましょう。
  • 食事は規則正しく摂る: 欠食や食事の遅れは避けましょう。
  • 運動をする際は、事前に軽食を摂るなど対策をする: 必要に応じてブドウ糖などを携帯しましょう。
  • 糖尿病の人向け:低血糖症状が出たら、すぐにブドウ糖や砂糖を含む甘いものを摂取する: ジュース、飴、チョコレートなどが有効です。
  • 糖尿病の人向け:意識がない場合は、無理に口から食べさせず、すぐに救急車を呼ぶ: 医療機関での適切な処置が必要です。
  • 糖尿病の人向け:周囲の人に低血糖を起こしやすいことを伝えておく: 緊急時の対応を知っておいてもらうことが大切です。

食後高血糖:食後の血糖値が異常に高く上がる状態

食後高血糖とは、食後の血糖値が正常範囲を超えて異常に高く上昇する状態のことです。空腹時血糖値が正常でも起こることがあり、血管に負担をかけ、糖尿病の発症や悪化、動脈硬化のリスクを高めます。

食後高血糖の主な原因

  • 血糖値を急激に上げる食品の摂取: 白米、パン、麺類、砂糖などを多く含む食事。
  • 早食い・ドカ食い: 糖の吸収が速くなり、血糖値が急上昇します。
  • インスリン分泌の遅れや抵抗性: 食事による血糖上昇にインスリンの分泌が追いつかない、またはインスリンがうまく働かない場合。
  • 運動不足: 食後の血糖値を消費する機会が少ないと、血糖値が下がりきらないことがあります。

食後高血糖の症状(血糖値スパイクと同様の症状が出ることがある)

  • 食後の強い眠気
  • 食後の倦怠感
  • 集中力の低下
  • 喉の渇き
  • 頻尿

これらの症状は、血糖値スパイクと同様に見過ごされやすいですが、放置すると糖尿病につながる可能性があります。

食後高血糖の対策

  • ゆっくりよく噛んで食べる: 血糖値の上昇を緩やかにします。
  • 食べる順番を意識する(ベジファースト): 食物繊維を先に摂ることで、糖の吸収を穏やかにします。
  • GI値の低い食品を選ぶ: 血糖値を急激に上げにくい食品を選びましょう。
  • 適度な運動を食後に行う: 血糖値を下げる効果があります。
  • 食事の量を腹八分目にする: 食べ過ぎは血糖値を上げやすくします。
  • 定期的な血糖値測定: 必要に応じて、食後の血糖値を測定し、自分の血糖値の上がり方を把握することが大切です。

最後に

血糖値の急激な変動や異常な高値・低値は、体に様々な悪影響を及ぼします。食生活や生活習慣を見直すことで、血糖値の安定化を図ることが大切です。もし、気になる症状がある場合や、健康診断で血糖値に異常が見られた場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な指導を受けるようにしましょう。

以下は血糖値スパイクがなぜ身体には危険なのかについてより詳しく書いたブログです。こちらも併せてぜひご覧ください。

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