【現代人必見】鉄不足の症状と対策！貧血だけじゃない、鉄の重要性

「貧血は女性のもの」と思っていませんか？

実は、鉄分は現代人にとって、男女問わず、年齢に関係なく不足しがちな成分なんです。

本日は鉄不足が引き起こす悪影響とその対策をお伝えします。

1 鉄不足は「女性特有」ではない！現代人の共通課題
2 鉄不足が引き起こす心身の不調
3 鉄不足解消のための食事と栄養素
4 鉄分補給に役立つサプリメント
5 まとめ：大豆由来の鉄で健康的な生活を

鉄不足は「女性特有」ではない！現代人の共通課題

女性は毎月の生理で血を失うため鉄分不足になりやすいのは理解できますが、現代ではライフスタイルや食生活の変化で、女性のみならず男性や子どもにも鉄不足が多いことがわかっています。

厚生労働省が毎年実施している「国民健康・栄養調査」は、日本国民の健康と栄養の状態を把握するために行われる重要な調査です。この調査では、鉄を含む様々な栄養素の摂取状況や、貧血の状況などが調査されています。

国民健康・栄養調査からわかる鉄に関する現状

特に若い女性において、鉄不足の傾向が顕著であること。
月経による鉄の損失や、無理なダイエットによる鉄摂取不足などが原因として考えられること。
成長期の子供においても、鉄不足が見られること。
食生活の変化により、鉄分を豊富に含む食品の摂取量が減少していること。

これらのことが報告されています。

以下はその報告書の一部です。

平成17 年及び 18 年国民健康・栄養調査1，2）によれば、20～49 歳女性のヘモグロビン濃度の 25 パーセンタイル値は約 12 g/dL である。WHO による一般成人女性の貧血の基準であるヘモグロビン濃度（12 g/dL 未満）3）を適用すると、日本の成人女性の４人に１人は貧血状態にあるといえる。また、東京都での調査によると、1990 年以降、中学校ならびに高校女子生徒の貧血有病率は増加傾向にある4）。さらに、ヘモグロビン濃度 11 g/dL 未満で定義される妊娠貧血の女性の有病率は、一般女性の貧血有病率よりも高い5）。（厚生労働省のウェブサイト：https://www.mhlw.go.jp/　　　より抜粋）

また実際店頭での我々の経験においても、健康診断で貧血に関する数値が正常値であっても、隠れ貧血の可能性の方がおられます。不調を訴えられる方の中には、むしろ隠れ貧血の人の方が多い印象があります。

我々がよくお客様に見せていただく健康診断の血液検査では赤血球数（RBC）、ヘモグロビン濃度（Hb）、ヘマトクリット値（Ht）のような項目が一般的で、MCV（平均赤血球容積）、MCH（平均赤血球ヘモグロビン量）、MCHC（平均赤血球ヘモグロビン濃度）の項目がチラホラある時があります。

しかし、貯蔵鉄がわかる、血清フェリチン値の項目があることはほぼ皆無です。

そのため検査結果では、赤血球数（RBC）、ヘモグロビン濃度（Hb）、ヘマトクリット値（Ht）の値が平均値内に入っているため「問題なし」と判断され、まさか自分が鉄不足であると思ってもおられない方がほとんどなのです。

以下検査項目の簡単な説明です。

赤血球数（RBC）：血液中に存在する赤血球の数を測定する検査項目です。赤血球は、肺から全身の組織へ酸素を運び、二酸化炭素を肺へ運ぶ役割を担っています。
ヘモグロビン濃度（Hb）：血液中のヘモグロビンというタンパク質の量を測定する検査項目です。ヘモグロビンは、赤血球に含まれる赤い色素で、肺から全身の組織へ酸素を運び、二酸化炭素を肺へ運ぶ役割を担っています。
ヘマトクリット値（Ht）：血液中に占める赤血球の割合（容積）を示す値です。
MCV（平均赤血球容積）：赤血球1個あたりの平均的な大きさを表す指標です。
MCH（平均赤血球ヘモグロビン量）：赤血球1個あたりの平均的なヘモグロビン量を表す指標です。
MCHC（平均赤血球ヘモグロビン濃度）：赤血球1個あたりのヘモグロビン濃度を表す指標です。
フェリチン鉄：貯蔵鉄とも呼ばれ、体内に鉄を貯蔵する役割を担うフェリチンというタンパク質に含まれる鉄のことです。血液中のフェリチン鉄は体内の鉄の貯蔵量に応じてその値が変動するため、貧血や潜在性鉄欠乏の指標にされます。

鉄不足が引き起こす心身の不調

鉄が不足すると、以下のような様々な症状が現れることがあります。

鉄欠乏性貧血

体内の鉄分が不足することで、赤血球中のヘモグロビン（酸素を運搬するタンパク質）が十分に作られなくなり、全身の組織への酸素供給が滞る状態になります。
めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、倦怠感、顔色不良、頭痛、爪の変形、氷を無性に食べたくなる氷食症、集中力低下、食欲不振などが起こります。

なお、下は以前に貧血についてまとめたブログです。よろしければこちらもご覧ください。

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筋肉への影響

ミオグロビンは、筋肉内に酸素を貯蔵して、運動時に酸素を供給しています。
その構造の中心には、鉄を含む「ヘム」と呼ばれる部分があり、このヘムが酸素と結合することで、酸素の貯蔵と供給が可能になります。
つまり、鉄はミオグロビンの機能を支える上で不可欠な要素です。
ミオグロビンが減ってくると筋肉の働き低下・筋肉疲労・運動能力の低下・筋肉の痛み・筋肉の炎症などが起こります。

エネルギー代謝の低下

エネルギー生産工場と言われる、細胞内のミトコンドリアを元気にするために鉄が必要です。
このエネルギー生成の過程である「電子伝達系」において、鉄は重要な役割を果たします。
鉄は、電子伝達系を構成するタンパク質（シトクロムなど）の構成要素であり、電子の受け渡しを担うことで、エネルギー産生を支えています。
ミトコンドリアは、ヘモグロビンやミオグロビンの構成要素である「ヘム」を合成する場所でもあります。
ミトコンドリアでは鉄硫黄クラスターと呼ばれる鉄と硫黄の複合体の生成も行われます。
この複合体は電子伝達系やクエン酸回路、DNAの修復に関わる酵素など様々な酵素の補因子として働き、ミトコンドリアの機能維持に重要な役割を担います。
これらのことから鉄不足になると、疲労感・倦怠感などが起こります。

細胞増殖の抑制

鉄はDNA合成、細胞分裂、エネルギー産生など、細胞増殖に不可欠なプロセスに深く関与しているため、鉄が不足すると粘膜、皮膚、爪、髪の毛、免疫細胞、筋肉、精子など、全身の新陳代謝の低下などが起こります。

神経伝達物質の合成阻害

鉄は、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質の合成に関わる酵素の補因子として機能します。
また、神経終末からの神経伝達物質の放出に関与や神経伝達物質受容体の機能にも影響を与えています。
したがって鉄が不足するとドーパミン、セロトニンなどの脳内神経伝達物質が作られにくくなり、疲労感、倦怠感、意欲、集中力低下、記憶力低下、抑うつ、不安イライラ、怒りっぽさ、などのような気分の調整、 ADHD症状の悪化、睡眠などに影響します。

脳の機能低下

鉄は上記のようなことににプラスして神経信号の伝達速度を高める役割のミエリン鞘の形成にも必要です。
鉄が不足すると、脳神経細胞の成長発達、シナプス機能に影響したり、記憶学習に関わる海馬などに影響が出やすくなります。

脳への酸素供給減少

脳は、体重に占める割合はわずか2%程度ですが、全身の酸素消費量の約20%を消費する、大変、酸素の消費量が大変多い臓器です。これは、脳が常に活発に活動しており、神経細胞が大量のエネルギーを必要とするためです。
脳は、酸素不足に非常に弱い臓器です。酸素供給が数分間途絶えると、脳細胞は不可逆的な損傷を受け始めます。
鉄が不足すると脳への酸素供給量が減り、イライラ・抑うつ・集中力低下・記憶力低下など起こりやすくなります。
酷くなると意識障害、運動障害、認知機能障害など、さまざまな神経学的症状を引き起こす可能性があります。

骨への影響

骨芽細胞は、骨組織を形成する細胞です。
鉄は、骨芽細胞の分化や活性に必要な酵素の補因子として機能します。
鉄が不足すると、骨芽細胞の活動低下により、骨が作られにくくなり、骨密度の低下しやすくなります。
鉄は、コラーゲン合成に必要な酵素（プロリルヒドロキシラーゼ、リシルヒドロキシラーゼ）の補因子として機能します。これらの酵素は、コラーゲン分子の安定化や架橋形成に重要な役割を果たします。
鉄が不足すると、骨の柔軟性に必要なコラーゲンの生成が不十分になり、骨折しやすくなります。
ビタミンDは、体内で活性型ビタミンDに変換されることで、その機能を発揮します。この変換過程には、鉄を含むシトクロムP450という酵素が関与しており、鉄が不足するとビタミンDの活性化が阻害される可能性があります。
ビタミンＤの合成が低下すると、カルシウムの吸収が不足すると骨が弱くなります。

このような事から、骨粗鬆症・圧迫骨折・疲労骨折など起こりやすくなります。また、成長期のお子さんや、閉経後の女性は注意が必要になります。

抗酸化力の低下

鉄は抗酸化酵素の構成要素でもあります。例えばカタラーゼは過酸化水素を分解する酵素であり、鉄を必要とします。これらの酵素は、活性酸素を無害化し、細胞を酸化ストレスから守る役割を果たします。鉄が不足すると、体が酸化しやすくなり、老化が早まります。

甲状腺機能の低下

鉄は、甲状腺ホルモンの合成に必要な酵素である甲状腺ペルオキシダーゼの補因子として機能します。
即ち鉄が不足すると、甲状腺ホルモンの合成が阻害され、甲状腺機能低下症を引き起こす可能性があります。
さらには鉄が不足すると、甲状腺ホルモンの代謝が低下し、甲状腺機能低下症の症状が悪化する可能性があります。
また、甲状腺ホルモンは、胃酸の分泌を促進し、鉄の吸収を助ける役割も果たします。
甲状腺機能が低下すると、胃酸の分泌が減少し、鉄の吸収が阻害されます。
そのため甲状腺機能低下症は、鉄の利用効率を低下させる可能性があります。
さらには甲状腺ホルモンは、赤血球の産生を促進する役割を果たします。甲状腺機能が低下すると、赤血球の産生が減少し、鉄の利用効率が低下します。
新陳代謝の低下、寒がりなどの症状があれば一度甲状腺機能の検査を受けられることをおすすめします。
このように甲状腺機能と鉄は、密接に関連しており、どちらの状態も適切に管理することが健康維持に重要です。

以上のように鉄が不足すると、ただ単に貧血だけでなく筋肉や脳、骨、全身の細胞の代謝などなど全身に問題が出てしまいます。

とりわけ妊娠中のお母さんは胎児に鉄分を供給するため、鉄分を消耗しがちです。貧血のお母さんから生まれた子供も鉄欠乏性貧血である場合が多く、上記のような様々なトラブルが起こりやすいと言われています。

出産前後、授乳中の方は特に充分量の鉄を補給する必要があります。

鉄不足解消のための食事と栄養素

鉄不足を解消するためには、毎日の食事から鉄を十分に摂取することが重要です。

鉄の必要量

1日に必要な鉄の量は、年齢、性別、ライフステージによって異なります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準（2020年版）」（https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf）によると、1日の鉄の推奨量は以下の通りです。

成人（18歳以上）

男性: 7.5mg
女性（月経なし）: 6.5mg
女性（月経あり）: 10.5mg

ライフステージ別

妊娠初期: +2.5mg
妊娠中期・後期: +9.5mg
授乳期: +2.5mg

ポイント：

特に月経のある女性は、鉄の必要量が多くなります。
妊娠中は、さらに多くの鉄が必要になります。
成長期の子供や高齢者も、鉄不足に注意が必要です。

鉄を多く含む食品

鉄分を豊富に含む食品は、大きく分けて動物性食品と植物性食品に分類できます。それぞれの代表的な食品と、鉄分の種類について解説します。

鉄分が多く含まれる食品には以下のようなものがあります。

動物性食品（ヘム鉄）

レバー:豚、鶏、牛など、いずれのレバーも鉄分が豊富です。特に豚レバーは鉄分含有量が多いです。
赤身肉:牛肉や豚肉の赤身部分には、ヘム鉄が豊富に含まれています。
魚介類:カツオ、マグロ、イワシなどの赤身魚や、アサリ、シジミなどの貝類も鉄分が豊富です。

2. 植物性食品（非ヘム鉄）

海藻類:ワカメ、ノリなどの海藻類には、鉄分が豊富に含まれています。
大豆製品:豆腐、納豆、厚揚げなどの大豆製品も、鉄分の供給源となります。
野菜類:ホウレンソウ、小松菜などの緑黄色野菜にも、鉄分が含まれています。
その他:ココア、乾燥キクラゲ等にも鉄分が多く含まれます。

鉄は動物性タンパク質やビタミンCを一緒に摂ると吸収率が高まります。

※ちなみに、かつてヒジキは鉄含有量が多いことで有名でしたが、実は2015年を境に含有量が改定されています。日本食品標準成分表2010年版では、乾燥ひじき100gあたりの鉄分は55.0mg、日本食品標準成分表2015年版によると、乾燥ひじき100gあたりの鉄分は6.2mgとなっています。これはかつては、ひじきを調理するのに鉄なべを用いていたことが理由です。近年ではステンレスなどの鍋を用いることが多くなったことから改定されたようです。しかし、ひじきには鉄だけでなく他のミネラル、食物繊維などが豊富に含まれていますので、なお有益な食物です。

鉄はどこにあるの？

鉄は主に肝臓、脾臓、骨髄、筋肉に貯蔵され、必要な時に使われます。

筋肉ではミオグロビンとして、肝臓、脾臓、骨髄ではフェリチン鉄（貯蔵鉄）として貯蔵されます。フェリチン鉄は「第３の栄養鉄」と言われ、必要な時に放出され、ヘモグロビンに供給されます。この鉄が酸素と結びつき全身に酸素を運ぶ役割を果たします。

フェリチン鉄とは、フェリチンというタンパク質の中に鉄が収納されたものです。
例えて言うとフェリチンというタンパク質で出来た箱の中に鉄を収納しているイメージです。

したがってタンパク質が不足すると、フェリチンが作られず、貯蔵鉄も不足してしまいます。

そのため、鉄を貯蔵するためには、毎日の食事からタンパク質もしっかり摂ることも大切です。

鉄分補給に役立つサプリメント

1日必要量の鉄を食事から摂るとすると

前章では食事に含まれる鉄のお話をしましたが、毎日食事から十分必要量を摂ることは難しいことがあります。

例えば、吸収が良いと言われているヘム鉄を多く含む牛レバーに含まれる鉄分は、100gあたり約4.0mg、牛肉の赤身に含まれる鉄分は（部位や種類によって異なりますが）一般的には100gあたり約2～3mg程度です。これを月経ありの女性が1日必要量（10.5mg）を摂るとするとレバーであれば約260ｇ、赤味の肉であれば約400ｇ位が必要になる計算になります。実際にはレバーや肉だけでなく他の食品からも鉄は摂れますので、これより少なくてよいと思われますが、それにしても・・・です。どんなに消化器官が丈夫な人でも毎日となるとけっこう大変になりますね。

鉄分補給のサプリメントとは？

食事からの鉄摂取が難しい場合は、サプリメントの利用も有効です。

通常の鉄剤は非ヘム鉄と呼ばれ、胃でイオン化された時に活性酸素をまき散らし、胃の粘膜を刺激して胃の負担になる場合があります。鉄剤を服用して胃がムカムカしたり胃痛が起きたりして途中で服用を中止してしまわれる方が多いのはこのためです。

一方サプリメントなどでよくあるヘム鉄とは動物性食品（肉、魚、レバーなど）に含まれる鉄分のことで、ヘムという有機化合物と結合した状態で存在します。ヘムは、単独では機能せず、タンパク質と結合することで、その機能を発揮します。

胃酸や消化酵素によりタンパク質が分解され、ヘムとなった鉄は小腸の十二指腸で、ヘム輸送体（HCP1）と呼ばれる特殊なタンパク質によって腸管上皮細胞内に取り込まれます。この取り込みは、非ヘム鉄の吸収に比べて、食事中の他の成分の影響を受けにくいという特徴があります。非ヘム鉄は、食事中のフィチン酸やタンニンなどの成分によって吸収が阻害されますが、ヘム鉄はこれらの影響を受けにくいからです。

ヘム鉄は、非ヘム鉄に比べて吸収率が15～35%と高く、効率的に鉄分を摂取できます。非ヘム鉄の吸収率は、一般的に2～5%程度といわれています。

そして、最近注目されているのが、大豆由来のフェリチン鉄です。分子量が20万以上の大きな鉄分子で、高分子のまま腸から吸収されるので、ヘム鉄と同じくらい吸収率が高く、活性酸素をまき散らすこともないので胃腸への負担が少ないという特徴があります。また、身体に必要な分だけ吸収される特徴があり、鉄の過剰摂取に繋がることもありません。

まとめ：大豆由来の鉄で健康的な生活を

鉄は、私たちの健康維持に欠かせない重要な栄養素であることがお分かりいただけたと思います。

現代人は鉄が不足しがちです。日頃から鉄分を意識した食生活を心がけ、必要に応じてサプリメントも活用しながら、元気ではつらつとした毎日を送りましょう。

こきあ相談薬店では、子供から高齢者まで安心して飲めるをコンセプトにカルフォルニア大学バークレー校で開発された、世界初の大豆由来のフェリチン鉄が入った「SOY鉄」を取り扱っています。

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こきあ相談薬店へは下記の方法でご連絡いただけます。ご予約は公式ラインからご連絡いただくのが確実です。

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