「うちの子、学校に行きたがらないのはどうして…」「もしかして怠けてるだけなのかも・・・?」

近年、不登校のお子さんが増えていますが、それは決して心の問題だけではありません。実は、見落としがちな「体の問題」が大きく関わっている可能性があるのです。

このブログでは、不登校の背景にある体の問題と、親ができる具体的なサポートについて解説します。

起立性調節障害(OD)とは、起立時に血液の循環調節がうまくいかない病気

起立性調節障害(OD)とは、起立時に血液の循環の調節がうまくいかない病態のことをいい、自律神経の機能不全が関与しています。思春期の5~10%に、特に中学生に多く見られます。

自律神経による起立時の血圧や心拍数の調整がうまく働かず、脳へ充分量の血流が行かなくなることが主な原因と考えられています。

起立性調節障害(OD)の主な症状

  • 朝の寝起き不良
  • 朝に体調が悪い
  • 夜、寝つきが悪い
  • 食欲不振
  • 頭痛、動悸
  • 立ちくらみ、めまい
  • 湿疹
  • イライラ
  • 無気力
  • 集中力低下、思考力低下
  • 失神
  • 倦怠感、疲れやすい

起立性調節障害(OD)の約8割には心理的・社会的なストレスが関与しており、そのうちの約5割に不登校が合併しています。反対に不登校の児童の3~4割が起立性調節障害(OD)を伴っているとも言われています。

症状は午前中に強く、午後には改善することが多く、夜は比較的元気になるのが特徴で、夜眠ろうとしても目が冴えて眠れないこともあります。これらの症状の強さが日により異なるのも特徴です。

また、天候や季節によって症状の強さが変動しやすく、雨の日やその前日、台風の日などの湿気が多い日がひどく、春先から夏にかけて特に梅雨時期は悪化しやすい傾向があります。

時期的には特にゴールデンウィーク明けと夏休み明けの6月と9月が症状のピークとなることが多いようです。

自律神経系の機能をみるために行われる検査の一つの起立試験では、午前中の血圧低下と脈拍上昇が顕著ですが、夕方にはその変化が小さくなります。

起立試験の結果では、立ち上がった際に収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下する場合、重力によって下半身に血液が移動した時に、血管が適切に収縮せず、心臓からの血液を脳を含む上半身に十分に送り出せていない可能性を示しています。血圧の低下は、脳への血流低下に直結します。

つまり、起立性調節障害(OD)の子供たちは血液の循環不全により頭に十分な血液が巡っていないということです。

起立性調節障害(OD)の病態整理

起立性調節障害(OD)の発症には、生まれつきの体質や発達の違いといった生物学的要因と、心理社会的なストレスが複合的に関与します。これらの要因が自律神経中枢の機能を低下させ、動脈や静脈の収縮不全を引き起こし、その結果として血圧低下、心拍数増加、心拍出量の低下、下半身の血流貯留などにより循環不全が起き、脳血流の低下を招きます。

さらに運動不足や横になることが多い生活は、心筋の働きが低下することにより心拍出量が低下したり、下半身の筋力低下を引き起こし、起立時の循環不全を悪化させます。

起立性調節障害(OD)による活動低下がさらなる症状悪化を招き、さらに活動低下を招くという悪循環に陥りやすくなってしまいます。

また、不登校や引きこもりがまず最初に起きた場合でも、それによる活動低下は、起立性調節障害(OD)の発症リスクを高めてしまいます。

身体症状のチェックリスト(3つ以上該当でODの可能性)

  1. 立ちくらみ、めまいを起こしやすい
  2. 立っていると気持ちが悪くなる、ひどくなると倒れる
  3. 入浴時や嫌なことを考えると気持ちが悪くなる
  4. 少し動くと動悸や息切れがする
  5. 朝なかなか起きられず、午前中調子が悪い
  6. 顔色が青白い
  7. 食欲不振
  8. お腹のあたりを時々痛がる
  9. 倦怠感、疲れやすい
  10. 頭痛
  11. 乗り物に酔いやすい

ただし、これらの症状があるからといって必ずしも起立性調節障害(OD)とは限りません。他の病気が隠れている可能性もあるため、注意が必要です。

起立性調節障害(OD)を発症しやすい子供の特徴

男女比では女性に多く、その一因として生理による出血が考えられています。

重症化すると長期欠席や二次的な不登校、引きこもりにつながる可能性があります。

不登校の子供の多くは倦怠感、運動機能低下、睡眠リズム障害を抱えており、3~4割が起立性調節障害(OD)を合併しているといわれています。

起立性調節障害(OD)の発症には、個人の体が生まれつき持っている、あるいは遺伝的に受け継いだ性質や傾向など、生物学的な素因に加え、学業や人間関係の悩みなどの未解決な心理社会的な問題が心身に影響を与え、悪循環を引き起こすことがあります。

身体的要因としては、生まれつきの自律神経の強弱、身長、偏頭痛持ちなどの家族歴、成長期の体のアンバランスな成長などが挙げられます。


こきあ相談薬店に起立性調節障害(OD)でご相談に来られるお子さんの中では、急に身長が伸びたり、もともとの体形により、手足が細くて長いお子さんが経験的に多いように思います。

環境要因としては、環境の変化や引っ越しなどがあります。

心理的要因としては、新学期や新年度の不安や緊張、自己肯定感の低さなどがストレスとなり、自律神経を乱し、ODの症状を悪化させます。

ODは心と体の両方が関与する病気と言えます。

不登校・引きこもりが起きるのは二つの面から

  • 身体的要因:
    1. 元来の自律神経機能の異常
    2. 生活リズムの乱れ、運動不足による自律神経機能の悪化
    3. 活動量低下によるコンディショニング不良からの自律神経機能の悪化
  • 心理・社会的要因:
    1. 起立性調節障害(OD)に対する理解不足から生じる家族関係の悪化
    2. 起立性調節障害(OD)発症以前から存在する未解決な心理社会的問題
    3. 学校関係者や家族の起立性調節障害(OD)に対する認識不足による信頼関係の悪化
    4. 生活機能・学力低下による自己肯定感・自尊感情の低下
    5. 長期化する引きこもりによる社会復帰の遅れ
    6. うつ病などの精神疾患の併存や発症

特に発達障害のある子供はストレスを感じやすく、起立性調節障害(OD)を発症しやすい傾向があります。起立性調節障害(OD)が先か不登校が先かは一概には言えませんが、不登校を安易なサボりと捉え、無理に登校を促すことは避けるべきです。

まずは体の面からのアプローチが有効であるといわれていますが、どちらからのアプローチにせよ、初対面の大人にすぐに心の内を何でも話せる子供は少ないということを理解しておくことが重要です。

起立性調節障害(OD)治療と対応:

起立性調節障害(OD)の治療には非薬物療法と薬物療法があります。

  • 非薬物療法:
    • 疾患の理解と環境調整: 子供と周囲の大人が起立性調節障害(OD)の症状を正しく理解し、不安を取り除くことが大切です。
    • 朝の体調不良は怠けではなく身体疾患であり、無理な頑張りを強いるのは避けるべきです。子供の体調に合わせてできることを見つけ、過ごしやすい環境を整えることが重要です。
    • 日常生活の注意点: ゆっくりとした動作を心がけ、日中は横になるのではなく、なるべく座って過ごすようにします。
    • 早寝早起きは困難な場合もあるため、声かけ程度に留めます。
    • 体調不良時は無理な運動は避けるべきです。
    • 運動療法: 散歩などの軽い運動から始め、徐々に運動量を増やし、下半身の筋力強化を目指します。
    • 食事療法: カフェインを含まない飲み物を摂取し、塩分をやや多めに摂ることが推奨されます。
    • 弾性ストッキング: 効果が期待できます。
    • 起立時の工夫: 頭を下げた状態で、ゆっくりお腹に力を入れながら立ち上がると血が上りやすくなります。
    • 水分摂取: 十分な水分摂取が重要です。起立性調節障害(OD)の児童にはもともと水分摂取量が少ない子が多いという報告もあります。
    • 心理療法・行動療法: 傾聴や共感を通して子供の気持ちに寄り添い、実現可能な目標設定と行動を促します。焦らず、子供のペースに合わせたステップアップが大切です。
  • 薬物療法: 血圧を上げる薬、自律神経調整薬、抗不安薬などが用いられることがあります。

予後と周囲の理解:

軽症の場合は適切な治療により数ヶ月で改善することもありますが、再発する可能性もあります。

日常生活に支障がある中等度・重症例では、1年後の回復率は約50%、2~3年後には7~8割程度まで回復しますが、症状が残存することもあります。

不登校を伴う重症例では、1年後の復学率は低く、社会復帰にはより長い時間を要します。

周囲の理解とサポートは非常に重要であり、それが良好であれば子供は心身ともに安定し、回復もスムーズに進みます。
逆に理解が得られないと、昼夜逆転や長期の引きこもりにつながり、社会復帰が困難になるだけでなく、うつ病などの精神疾患を合併するリスクも高まります。

高校進学時期に起立性調節障害(OD)が重なると問題が複雑化しますが、本人の体調に合わせた環境調整(通信制への転向など)を行い、自己肯定感を失わずに前へ進むことが大切です。

起立性調節障害(OD)は身体疾患であり、発症要因は多様で、経過も一様ではありません。不登校が先行する場合、運動不足がきっかけとなる場合、急激な身長増加後に発症する場合など、様々なケースがあります。それぞれの状況に合わせて適切な対応を考える必要があります。

いずれにせよ、安易な叱責や放置は避け、生徒一人ひとりの様子を観察し、現在の体調で実現可能な目標設定を行うことが重要です。高校進学後の社会参加を見据えた長期的な支援が求められます。

起立性調節障害(OD)の治療において最も重要なのは、十分な水分摂取と、散歩などの足を使った運動です。寝たきりを防ぎ、起立性調節障害(OD)への理解を深めることが回復への第一歩となります。

起立性調節障害の子どもに大人が出来ること

以上、まとめると、起立性調節障害(OD)は身体疾患であること、心理的ストレスが加わると症状が悪化すること、水分の適切な摂取と足を使った運動が一番の治療法であること、登校刺激のし過ぎも放置もNGであること等、まず我々大人がきちんと起立性調節障害についての正しい知識をもち、対応できるようにならなければいけないということです。

もし、お子さんが学校に行けなくなった場合、行けないのか、行きたくないのか。まず、ここをよく聞いてあげてください。

起立性調節障害のお子さんにこきあ相談薬店ができること

こきあ相談薬店ではまず、体からのアプローチを行います。

東洋医学では「心身一如」という言葉があります。心と体は一つ、裏表。どちらかが良くなればもう片方もそれにつられ良くなっていくという考え方です。思い当たることがありますよね。

お子さんお一人お一人のお話を良くお聞きして、そのうえで何かが足りていないのか、何かが多すぎるのか。どこかの働きが悪いのか、どこの働きを補ってあげればいいか・・などを一緒に考えてまいります。

我が家の次男も小学校の時に学校を休みがちになり、その後保健室登校をしばらくしました。親の私は毎日の息子の体調に一喜一憂する日々でした。わが子とはいえ心の中まで見ることが出来ないので、いったいこの子に何が起きているのか?!と、本当に悶々としていたことを思い出します。
今ではすっかり元気になり社会人として毎日働いています。

こきあ相談薬店に起立性調節障害でご相談いただいたお子さんが元気になられ、学校へも通えるようななったというお話を親御さんからお聞きするたびに、私たちもとても嬉しく思っています。

もし今、お子さんの体調で悩んでおられる親御さんがおられるようでしたら、お一人で悩まれずに我々にご相談ください。

根本から治していくために

こきあ相談薬店ではお越しいただいた際に、お客様の生活スタイルや食事の摂り方などを詳しくお聞きし、それぞれお一人お一人に適した漢方薬、漢方食品、サプリメントなどをご提案すると同時に、その方に合った生活や食事の養生法をお伝えしています。

体調というものは一度正のスパイラルに入ると、どんどん良くなっていくものです。今現在、負のスパイラルに陥っているものを、正のスパイラルにもっていくことをサポートするのが我々がおすすめする物とアドバイスである思っていただければよいです。

これらを決め、始められるのはあくまでもお客様ご本人です。こきあ相談薬店が出来ることはそれを後方支援することです。

こきあ相談薬店へは下記の方法でご連絡いただけます。ご予約は公式ラインからご連絡いただくのが確実です。

お電話(06-7897-7116)、メール(kochia.yakuten@gmail.com)、公式ラインホームページのお問い合わせ欄https://kochia-yakuten.com/contact/インスタグラムのDMで承ります。

このブログはこきあ相談薬店の薬剤師 芳田がお届けしました。最後までお読みいただきましてありがとうございました。

下のブログは起立性調節障害を含む低血圧について詳しく書いたブログです。こちらもぜひご覧ください。

低血圧改善で人生が変わる!?今日から始める血圧ケア

朝起きられない、めまいやふらつきがある。貧血で立ち眩みがある、一年中手足が冷える・・・・などなどお話を聞いていると本当に不調を訴えられる方が多いです。 そしてま…

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