食後に血糖値が急激に上がり、その後急降下する現象、通称「血糖値スパイク(グルコーススパイク)」。血糖値スパイクは、健康診断の空腹時血糖値では見逃されやすく、「静かなる血管の爆弾」とも呼ばれます。

日々の小さな努力が血糖値スパイクを防ぎ、未来の自分の健康を守ります。

本日のブログではそんな血糖値スパイクの危険性と対処法について再び深く掘り下げます。

血糖値スパイクの正体と短期的な自覚症状

血糖値スパイクとは、主に食後1~2時間で血糖値が急激に上がり(通常 140mg/dLを超える)、その後インスリンの過剰分泌によって急降下する現象です。

急激な血糖値の乱高下は、自律神経や脳のエネルギー供給に影響を与え、短期的には以下のような不快な症状を引き起こします。

  • 強い眠気、倦怠感
  • 集中力の低下、思考力の鈍化
  • 異常な空腹感、甘いものへの渇望
  • イライラ、気分の不安定化

🔍 あなたは大丈夫?血糖値スパイクをチェックする方法

血糖値スパイクの怖いところは、空腹時血糖値が正常なうちは、自分では気づきにくい点です。しかし、いくつかの方法でそのリスクをチェックできます。

1. 簡易チェックリスト(日々の生活で確認)

以下の項目に心当たりが多いほど、血糖値スパイクを起こしている可能性が高いと言えます。

  • 食事の最初にご飯やパンから食べ始めることが多い
  • 早食いである、または満腹になるまで食べないと気が済まない
  • 食後、決まって猛烈な眠気や倦怠感に襲われる
  • 食後、すぐに甘いものが欲しくなる
  • 清涼飲料水やジュースをよく飲む
  • 急激に体重が増えた、または腹部の脂肪が増えてきた

2. 医療機関での検査

自己チェックだけでなく、正確に血糖値の変動を確認するためには医療機関での検査が有効です。

(A) 経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)

  • 最も正確な方法です。 空腹の状態でブドウ糖液を飲み、飲む前と、飲んだ後30分、60分、120分と、複数回にわたって血糖値の変化を測定します。
  • 食後の血糖値のピークが 140mg/dL を超えるかどうか、また、2時間後の血糖値が基準値を超えていないかを確認することで、血糖値スパイクの有無や、糖尿病予備軍(境界型)かどうかを正確に診断できます。

(B) グリコアルブミン(GA)または 1,5-AG

  • HbA1cが正常でも血糖値スパイクのリスクが発見できる指標
    • HbA1cは過去1~2か月の平均的な血糖値を示しますが、血糖値スパイクのような「短時間の乱高下」を捉えにくい欠点があります。
    • グリコアルブミン(GA)は過去約2週間の血糖平均、1,5-AGは過去数日間の食後高血糖の有無を鋭敏に反映する指標です。
  • これらの値を測定することで、HbA1cが正常範囲内であっても、実は頻繁に食後高血糖(スパイク)が起こっている「隠れ糖尿病」のリスクを評価できます。

3.血液検査からの読み解く

わざわざ医療機関で検査を受けられずとも、血液検査の結果の項目から血糖値スパイクが起きている可能性を推測することもできます。

こきあ相談薬店では血液検査の結果をお持ちいただくと、それを読み解かせていただいています。もしご自分が血糖値スパイクを起こしていないか心配な方は血液検査の結果をぜひ拝見させてください。

💣 血糖値スパイクが身体に及ぼす3つの深刻な長期的リスク

血糖値スパイクが繰り返されると、体の中の血管や膵臓が常にストレスに晒され続けられることになり、将来的に重篤な病気を引き起こすリスクが高まります。

1. 血管内皮へのダメージと動脈硬化の進行(最重要リスク)

急激な高血糖は、体内で「活性酸素」という有害物質を大量に発生させます。この活性酸素は、血管の内側を覆う薄い細胞(血管内皮細胞)を繰り返し傷つけ、炎症を引き起こします。

  • ダメージの連鎖: 傷ついた血管の壁は、LDL(悪玉)コレステロールなどを取り込みやすくなり、その傷を修復しようとする働きも相まって、血管の内壁が厚く硬くなります。
  • 結果: このプロセスの進行こそが動脈硬化です。動脈硬化が進行すると、血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞脳梗塞といった命に関わる重篤な心血管疾患のリスクが跳ね上がります。実際、空腹時血糖値が正常でも、食後高血糖がある人は、これらのリスクが高いことが複数の研究で指摘されています。

2. 膵臓の疲弊と糖尿病への進行

血糖値が急上昇すると、それを下げるために膵臓からインスリンが大量に分泌されます。

  • 過剰労働: スパイクが日常的に起こると、膵臓のインスリンを出す細胞(β細胞)は常に過剰労働を強いられ、次第に疲弊してしまいます。
  • 結果: 最終的にインスリンの分泌能力が低下し、血糖値をコントロールできなくなり、本格的な2型糖尿病へと移行するリスクが非常に高まります。

3. 認知症やがんなど、全身疾患のリスク増加

近年の研究では、血糖値スパイクと血管へのダメージが、動脈硬化以外にも全身の様々な病気に関わることが示唆されています。

  • 認知症: 脳の血管へのダメージやインスリンの過剰分泌が、アルツハイマー型認知症などの認知機能低下リスクを高める可能性が指摘されています。
  • がん: インスリンが過剰に分泌される状態は、一部のがん細胞の増殖を促進する可能性も示唆されています。

4.急激な血糖値の急降下(クラッシュ)による深刻な悪影響

インスリンが過剰に分泌されることで引き起こされる血糖値の急降下(反応性低血糖)は簡単に言えば「身体が一時的なエネルギー不足に陥る状態」です。

脳の機能停止による急性症状(パフォーマンスの低下)

血糖値が急降下すると、脳細胞へのエネルギー供給が不安定になり、中枢神経症状として現れます。脳の主要なエネルギー源はブドウ糖だからです。

  • 強い眠気、倦怠感特に食後2~3時間の集中力・仕事効率の大幅な低下を招きます。
  • 集中力・判断力の低下会議中や運転中などにミスや事故を引き起こすリスクを高めます。
  • イライラ、不安感脳がエネルギー不足に陥ると、精神的に不安定になりやすく、感情のコントロールが難しくなります。

自律神経の乱れによる全身の不調(オーバーワーク状態)

身体は血糖値が下がりすぎることを「命の危険」と判断するため、それを阻止しようと緊急のホルモンを大量に分泌します。

  • 対抗ホルモンの分泌: 血糖値を上げるホルモン(アドレナリンなど)が緊急で分泌されます。
  • 交感神経の活性化: これにより、体は興奮状態(交感神経優位)となり、以下のような症状が現れます。
    • 動悸、冷や汗、手の震え
    • 異常な空腹感(何か甘いものを食べたくなる衝動)

肥満と生活習慣病リスクの悪化

インスリンは血糖値を下げるだけでなく、「脂肪の合成を促進する」という強力な作用も持っています。

  • 過剰なインスリン: 血糖値スパイクで急激な高血糖が起こると、それを処理するためにインスリンが過剰に分泌されます。
  • 結果: この大量のインスリンは、血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませるだけでなく、余分なエネルギーを体脂肪として蓄積させます。血糖値スパイクを繰り返すことは、太りやすい体質を助長し、肥満や脂質異常症といった他の生活習慣病のリスクも高めてしまいます。

問題は「急激な乱高下」そのもの

血糖値スパイクの真の問題は、高値(血管の損傷)と低値(脳と自律神経の疲弊)という両極端のストレスを、食事のたびに身体に与え続けることです。

この「ジェットコースター」のような乱高下を抑え、血糖値を穏やかに保つことが、健康長寿と日々の快適な生活を送るための鍵となります。

血糖値スパイクを防ぐ食事術がカギ

血糖値スパイクは、健康診断の空腹時血糖値では見逃されやすく、「静かなる血管の爆弾」とも呼ばれます。

血糖値の急激な乱高下を防ぐには、「何を食べるか」以上に、「どう食べるか」が重要です。

ここでは、血糖値を穏やかに保つための具体的な食事の組み合わせと食べ方のコツをご紹介します。

1. 食べる順番の工夫:食物繊維の「壁」を作る

最も効果的で簡単に実践できるのが「食べる順番」を変えることです。

順番食べるもの役割
最初(ファーストステップ)野菜、きのこ、海藻、汁物(野菜入り)これらの食物繊維が胃の中でゲル状になり、後から入ってくる糖質の吸収速度を遅らせる「壁」を作ります。
次(セカンドステップ)肉、魚、卵、豆腐(タンパク質・脂質)タンパク質や脂質もまた、胃からの排出を緩やかにし、血糖値の上昇をさらに安定させる効果があります。
最後(ラストステップ)ご飯、パン、麺類、芋類(炭水化物)糖質の吸収が最も遅くなるタイミングで摂ることで、血糖値のピークを抑えます。

💡 コツ: 最初の野菜や汁物は、一口二口ではなく、ある程度しっかり(全体の1/3程度)食べてから、時間でいうと食べ始めから最低5~10分ほど経ってから、次のステップに進みましょう。

2. 炭水化物の質を選ぶ:低GI食品の活用

血糖値を急激に上げやすいのは、消化吸収が速い精製された炭水化物です。これらをGI値(グリセミック・インデックス)の低い食品に置き換えるだけで、スパイクのリスクを大きく減らせます。

血糖値が上がりやすい(高GI)血糖値が上がりにくい(低GI)
白米、食パン、うどん、じゃがいも玄米、雑穀米、全粒粉パン、パスタ、さつまいも

💡 コツ: 全ての炭水化物を置き換えるのが難しければ、せめて朝食や夕食の炭水化物を低GIのものに変えるだけでも効果的です。

3. 「よく噛む・ゆっくり食べる」を徹底する

早食いは血糖値スパイクの最大要因の一つです。

  • 咀嚼(そしゃく)の重要性: よく噛むと、消化酵素の分泌が促進されるだけでなく、脳の満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防げます。
  • 食事時間: 最低でも15分以上かけて食事をすることで、糖質が一気に小腸に運ばれて吸収されるのを防ぎ、血糖値の上昇を緩やかにできます。

4. 食後の軽い運動を取り入れる

食後15~30分後の軽い運動(散歩など)は、食事で増えたブドウ糖を筋肉がエネルギーとして使うのを助け、血糖値の急上昇を抑える非常に有効な手段です。

  • おすすめ: 食後すぐにデスクワークに戻るのではなく、10分間だけ建物の周りを歩いたり、軽くストレッチをしたりする習慣をつけましょう。

血管を守る意識改革を

血糖値スパイクは、健康の土台である血管を静かに蝕む大敵です。

まずは、上記チェックリストでご自身の生活習慣を見直し、食後の眠気や倦怠感などのサインを見逃さないようにしましょう。不安があれば、医療機関で正確な検査を受けることをおすすめします。

こきあ相談薬店ではこの血糖値スパイクには、長年血糖値スパイク、低血糖の研究をされた、故永田勝太郎医師が創られた特殊乳酸菌(LAB4)製剤により、糖摂取直後の血糖値の急上昇を抑えインスリンの過剰分泌を抑え膵臓を守り、その後の低血糖をおこりにくくし、抗酸化力に優れたコエンザイムQ10製剤により血管を守ることをご提案しています。

まとめ🔑 今日から始める、小さな習慣

  • 私も以前は、食後の強い眠気や倦怠感は単に「食べ過ぎ」だと思っていました。しかし、「血糖値の乱高下」であることを知り意識すると、なるほど、気をつけて食事をした後は眠くならないことがわかりました。血糖値スパイクを起こしていたのです!!
  • 皆さんもぜひ、このわかりやすいサインを見逃さないでください。
  • まずは今日のお食事から、「野菜→タンパク質→炭水化物」の順番を意識し、一口目を食べてから5〜10分は野菜と汁物中心に食べることを意識してください。したがって汁物は具だくさんがいいですよね。
  • そして、心当たりのある方は、ぜひ一度、かかりつけ医にご相談の上、1,5-AGなどの検査を通じてご自身の血糖変動の状態を正確に把握してください。

動脈硬化を防ぎ、将来の心筋梗塞や認知症のリスクを下げる、未来の健康への最も賢明な行いが、血糖値を安定させるためのこの小さな努力です。

あなたの健康的な毎日を、心から応援しています!そして私も頑張って実践します。

もし血糖値スパイクや、血糖値のことが気になる方がありましたら何でもご相談ください。

以下の動画は以前YouTube動画にアップしたものです。徳永薬剤師が血糖値スパイクについてわかりやすく説明しておりますので、よろしければこちらもご覧になってください。

根本から治していくために

こきあ相談薬店ではお越しいただいた際に、お客様の生活スタイルや食事の摂り方などを詳しくお聞きし、それぞれお一人お一人に適した漢方薬、漢方食品、サプリメントなどをご提案すると同時に、その方に合った生活や食事の養生法をお伝えしています。

体調というものは一度正のスパイラルに入ると、どんどん良くなっていくものです。今現在、負のスパイラルに陥っているものを、正のスパイラルにもっていくことをサポートするのが我々がおすすめする物とアドバイスである思っていただければよいです。

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このブログはこきあ相談薬店の薬剤師 芳田がお届けしました。最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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