「なかなかスッキリしない…」「便が硬くて出すのに一苦労」多くの方が悩まされる便秘。一言で便秘といっても、その原因や症状は人それぞれです。
市販の便秘薬を試してみても、なかなか改善しないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、東洋医学的考え方では便秘は体質の現れと捉え、そのタイプに合わせたアプローチで改善を目指します。
今回は、便秘のタイプをチェックし、ご自身の体質に合った便秘へのアプローチの方法をご紹介します。

目次
あなたの便秘タイプをチェック!
以下のチェックリストで、あなたの便秘はどのタイプに近いか確認してみましょう。当てはまる項目が多いほど、そのタイプの可能性が高いと考えられます。
【熱秘(ねつひ)タイプ】
□顔が赤くほてる
□便は硬くて多い
□のどが渇きやすい
□イライラしやすい
□お腹が張りやすい
□口臭が気になることがある
□尿が黄色く濃い
□冷たい物が好き
□頭痛や肩こりがある
【気滞(きたい)タイプ】
□ストレスを感じやすい
□イライラしたり憂鬱な気分になることがある
□げっぷやガスが出やすい
□便意はあるのに出にくかったりすっきり出ない
□ため息がよく出る
□便の形が一定しない(便秘と下痢を繰り返す)
□ 胸や脇が張ることがある
□お腹が張って苦しい
【燥屎(そうし)タイプ】
□便が硬く兎の糞のようである
□便が出口でつっかえる感じがする
□肌にツヤがなく乾燥しやすい
□髪がパサつく
□手足がほてる
□寝汗をかく
□めまいや立ちくらみがある
□ 舌が乾いている
【脾虚(ひきょ)タイプ】
□食欲不振になりやすい
□便の出始めが出にくく、いきんでも少ししか出ない
□疲れやすい
□冷えやすい
□風邪をひきやすい
□ 顔色が青白い
□むくみやすい
【血虚(けっきょ)タイプ】
□顔色が悪い
□めまいや立ちくらみがある
□動悸や息切れがある
□ 皮膚が乾燥しやすい
□爪がもろい
□生理不順がある(女性の場合)
【冷えタイプ】
□便の出始めが硬く後が柔らかい
□お腹が冷える、手足が冷える
□冷えるとすぐにお腹が痛くなる
□寒がり、冷え性
□おしっこが近い
□関節痛がある
□むくみやすい、尿量が多い
タイプ別の漢方の考え方と養生法
それぞれのタイプに合わせた漢方の考え方と、日々の生活で取り入れたい養生法をご紹介します。
①【熱秘(ねつひ)タイプ】体に熱がこもって便秘になるタイプ
体の中に余分な熱がこもることで、腸の水分が奪われ、便が硬くなると考えられます。
体に熱がこもる原因はさまざま
- 食生活の乱れ:
- 辛いもの、脂っこいもの、味の濃いものの摂りすぎ: これらは体に熱を生み出しやすく、腸の潤いを消耗させます。
- お酒の飲みすぎ: アルコールも体内で熱を生み出し、脱水傾向を招きます。
- 肉類の偏食: 動物性脂肪は消化に時間がかかり、腸に負担をかけ、熱を生み出すことがあります。
- 水分不足: 腸の内容物を潤す水分が不足すると、便は硬く排出しにくくなります。
- 生活習慣の乱れ:
- 睡眠不足: 睡眠不足は自律神経の乱れにつながり、体内の熱バランスを崩すことがあります。
- ストレス: ストレスは体内に熱を生み出す「火」のエネルギーを過剰にする可能性があります。
- 運動不足: 全身の血行が悪くなり、腸の蠕動運動も鈍くなることがあります。
- 体質的な要因:
- もともと熱を持ちやすい体質: 暑がりで汗をかきやすいなど、体質的に熱がこもりやすい方もいます。
見逃さないで!熱がこもる便秘(熱秘)の主な症状
熱がこもるタイプの便秘には、上のチェックに加え、以下のような症状が見られます。
- 便が硬い
- 排便時に強い痛みがある
- 残便感がある
- 口臭が気になる
- のどが渇きやすい
- 顔が赤くなりやすい
- イライラしやすい
- ニキビや吹き出物ができやすい
- 舌の色が濃く、苔が黄色い(東洋医学的な舌診所見)
これらの症状が複数当てはまる場合は、熱がこもるタイプの便秘の可能性が高いと考えられます。
東洋医学的アプローチ!熱がこもる便秘(熱秘)の対策
東洋医学では、熱がこもる便秘に対して、体の余分な熱を冷まし、腸を潤すことを目的としたアプローチを行います。
- 食養生:体の中からクールダウン
- 積極的に摂りたい食材:
- 体の熱を冷ます: きゅうり、トマト、ナス、スイカ、梨、バナナなど
- 腸を潤す: ほうれん草、小松菜、オクラ、きのこ類、海藻類など
- 水分を補給する: 水、麦茶、ハーブティーなど(冷たいものは控えめに)
- 控えたい食材:
- 体を温める、熱を生み出す: 唐辛子、ニンニク、生姜の摂りすぎ、揚げ物、焼肉など
- アルコール: 特に熱燗や度数の高いものは控えましょう。
- 積極的に摂りたい食材:
- 生活習慣の見直し:穏やかなリズムを作る
- 質の高い睡眠: 毎日同じ時間に寝起きし、十分な睡眠時間を確保しましょう。
- 適度な運動: ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かしましょう。
- ストレスケア: 自分に合ったリラックス方法を見つけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
②【気滞(きたい)タイプ】気が滞って便秘になるタイプ
ストレスや精神的な緊張により、腸の蠕動運動がスムーズにいかなくなると考えられます。
東洋医学では、体の中には「気(き)」という生命エネルギーが流れていると考えます。気は、血液や体液の流れを促し、内臓の働きを調整する役割を担っています。
しかし、ストレスや不規則な生活によって気の流れが滞ると、様々な不調が現れます。その一つが便秘です。
気の流れが滞った状態を「気滞(きたい)」といい、腸の動きも悪くなることで便秘を引き起こします。
あなたは気滞タイプ?主な原因と症状
気滞を引き起こしやすい原因と、気滞タイプの便秘によく見られる症状は次のようなものです。
気滞の主な原因
- 精神的なストレス: 悩み、不安、緊張、イライラなど
- 感情の抑圧: 怒りや悲しみなどを我慢する
- 不規則な生活: 睡眠不足、運動不足、不規則な食事
- 環境の変化: 引越し、転職、人間関係の変化など
気滞タイプの便秘の症状
- お腹が張りやすい、ガスが出やすい
- 便の形状が変わりやすい(コロコロ便、細い便など)
- 排便後に残便感がある
- イライラしやすい、情緒不安定
- ため息をよくつく
- 胸や脇が張りやすい
- ゲップやおならが多い
これらの症状に複数当てはまる方は、気滞タイプの便秘の可能性が高いと考えられます。
気滞を改善!東洋医学的アプローチ
東洋医学では、気滞タイプの便秘に対して、気の巡りを改善し、腸の動きを正常にすることを目指したアプローチを行います。
1. 食養生:気の巡りを助ける食材を積極的に
気の巡りを良くするためには、以下の食材を積極的に摂りましょう。
- 香りの良い野菜: シソ、ミツバ、セリ、春菊など
- 柑橘類: ミカン、グレープフルーツ、レモンなど
- 発酵食品: 味噌、醤油、納豆、キムチなど
- ハーブ: ミント、カモミールなど
2. 生活習慣の見直し:心と体の両方を解放
ストレスを溜め込まず、心身ともにリラックスできる時間を作りましょう。
ストレス解消: 趣味を楽しむ、友人とおしなりのストレス解消法を見つける
適度な運動: ウォーキング、ヨガ、ストレッチなどで体を動かし、気の巡りを促進
質の高い睡眠: 毎日同じ時間に寝起きし、リラックスできる睡眠環境を整える
リラックスタイム: アロマ、入浴、音楽鑑賞などで心身をリフレッシュ
③【燥屎(そうし)タイプ】腸の潤いが不足し便秘になるタイプ
腸の潤いが不足し、便が乾燥して硬くなると考えられます。
燥屎(そうし)タイプの主な原因と症状
- 熱のこもる食べ物の過剰摂取: 辛いもの、揚げ物、アルコールなど
- 水分不足: 水分摂取量が少ない
- 発熱性の病気: 高熱により体内の水分が失われる
- 高齢者: 加齢に伴い、体の水分保持能力が低下するため
燥屎(そうし)タイプの主な症状
- 兎の便のようなコロコロした便
- 便秘が長期間続いている
- 口臭が強い
- 肌が乾燥している
- めまいやのぼせを感じることがある
体内の潤いを保持するために!燥屎(そうし)タイプの対策
便を柔らかくする作用のある食材の摂取: オリーブオイル、はちみつ、大根など
十分な水分補給: こまめに水分を摂取し、便を柔らかくする
食物繊維の摂取: 適度な食物繊維は便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促進する
適度な運動: 全身の血行を改善し、腸の働きを活発にする
④【脾虚(ひきょ)タイプ】腸を動かすためのエネルギーが不足している便秘
脾は、東洋医学において消化吸収全般を司る臓腑であり、「脾虚」とは、その働きが低下している状態を指します。脾虚になると、食べ物からエネルギーや血液を作り出す力が弱まり、全身の機能低下につながることがあります。消化機能が低下し、腸の働きも弱くなると考えられます。
そのため、脾虚になると、腸を動かすためのエネルギーが不足し、便を押し出す力が弱まります。また、消化機能の低下により、腸内に水分が停滞しやすくなり、軟便と便秘を繰り返すこともあります。
脾虚(ひきょ)タイプの主な原因と症状
- 偏った食生活: 冷たいもの、甘いもの、脂っこいものの摂りすぎ
- 過労: 慢性的な疲労や睡眠不足
- ストレス: 長期的な精神的なストレス
- 加齢: 加齢に伴う消化機能の低下
- 慢性的な病気: 消化器系の慢性疾患など
脾虚(ひきょ)タイプの主な症状
- 軟便または便秘を繰り返す
- 食欲不振、胃もたれ
- 疲れやすい、倦怠感
- 手足が冷えやすい
- 舌がむくみやすく、苔が白い
- 貧血気味になることがある
まず、胃腸を労わろう!脾虚(ひきょ)タイプの対策
- 食生活の改善:
- 消化の良い温かい食事を摂る
- 甘いもの、脂っこいもの、生ものは控えめにする
- 胃腸に優しい食材(米、山芋、かぼちゃ、鶏むね肉など)を積極的に摂る
- 生活習慣の見直し:
- 十分な睡眠を確保し、規則正しい生活を送る
- 適度な運動で全身の血行を促進する
- ストレスを溜め込まず、リラックスできる時間を作る
- 漢方薬: 専門家の処方に従い、脾の働きを助ける漢方薬を使用する
- ツボ療法: 脾の働きを助けるツボを刺激する
- 足三里(あしさんり)
- 中脘(ちゅうかん)
- 脾兪(ひゆ)
⑤【血虚(けっきょ)タイプ】腸を潤すための血液とエネルギーが不足している便秘
「血虚」とは、東洋医学において、血液の量が不足したり、その機能が低下したりしている状態を指します。血虚になると、様々な臓器や組織への栄養供給が滞り全身の不調につながることがあります。
血虚になると、腸を潤すための血液が不足し、便が乾燥して硬くなりやすくなります。また、腸の蠕動運動を促すためのエネルギーも不足するため、便をスムーズに押し出すことができず、便秘につながります。(燥屎(そうし)タイプと重なることも多いです)
血虚(けっきょ)タイプの主な原因と症状
- 食事の偏り: 鉄分やタンパク質が不足した食事
- 過多月経: 月経量が多い、またはダラダラと続くことによる血の不足
- 慢性的な出血: 痔、消化器系の潰瘍などによる出血
- 出産や授乳: 大量の血液を消耗する
- 過度なダイエット: 極端な食事制限
- 慢性的な病気: 貧血、消化器系の病気など
血虚(けっきょ)タイプの主な症状
- 便が硬く、コロコロしている
- 便意はあるのに、スムーズに排便できない
- めまい、立ちくらみ
- 顔色が悪い、爪がもろい
- 疲れやすい、倦怠感
- 動悸、息切れ
- 不安感、不眠
- 経血量が少ない、生理不順
血を増やすためにはどうする?血虚(けっきょ)タイプの対策
- 食生活の改善:
- 鉄分やタンパク質を豊富に含む食品(レバー、赤身肉、魚、大豆製品、緑黄色野菜など)を積極的に摂る
- バランスの取れた食事を心がけ、偏食を避ける
- 生活習慣の見直し:
- 質の高い睡眠を確保し、規則正しい生活を送る
- 適度な運動で全身の血行を促進する(ただし、激しい運動は避け、軽い運動にとどめる)
- ストレスを溜め込まず、リラックスできる時間を作る
- 漢方薬: 専門家の処方に従い、血を補う漢方薬を使用する
- ツボ療法: 血の巡りを改善し、胃腸の働きを整えるツボを刺激する
- 合谷(ごうこく)
- 足三里(あしさんり)
- 血海(けっかい)
- 三陰交(さんいんこう)
⑥【冷えタイプ】体の冷えにより腸の蠕動運動が低下している便秘
冷えタイプの主な原因と症状
- 冷たい飲食物の摂りすぎ: 冷たい飲み物や食べ物は、胃腸を冷やし、機能を低下させます。
- 薄着、寒冷な環境: 体が冷えると、内臓の働きも低下します。
- 運動不足: 筋肉量が少ないと、熱を生み出す力が弱まり、体が冷えやすくなります。
- ストレス: ストレスは自律神経のバランスを崩し、血行不良を招くことで体を冷やします。
- 加齢: 加齢に伴い、体の熱を生み出す力が衰えるため、冷えやすくなります。
冷えタイプの主な症状
- 出始めの便が硬く次第に軟便になる
- お腹が冷える、手足が冷える
- 寒がり、冷え性
- 疲れやすい、倦怠感
- 生理痛、生理不順
- 関節痛
- むくみやすい、尿量が多い
とにかく体を冷やさない!冷えタイプの対策
- 食生活の改善:
- 温かい飲食物を積極的に摂る:温かいスープ、生姜、根菜類など
- 体を温める食材を摂る:唐辛子、ニンニク、生姜、ネギなど(ただし、摂りすぎには注意)
- 冷たい飲食物、生ものは控えめにする
- 生活習慣の見直し:
- 体を温める服装を心がける
- 適度な運動で筋肉量を増やし、血行を促進する
- 入浴はシャワーだけでなく、湯船に浸かる
- ストレスを溜め込まず、リラックスできる時間を作る
- 漢方薬: 専門家の処方に従い、体を温める漢方薬を使用する
- ツボ療法: 体を温め、胃腸の働きを整えるツボを刺激する
- 関元(かんげん)
- 気海(きかい)
- 命門(めいもん)
- 足三里(あしさんり)
まとめ
ひとことで便秘といっても、食生活や生活習慣、体質など様々な要因が複雑に絡み合って起こります。1つのタイプだけでなく数個のタイプが混合している方も多くみられます。タイプがご自身の便秘のタイプを知り、それに合わせた養生法を取り入れることで、つらい便秘の改善に繋がる可能性があります。
もし、便秘が長引く場合や、市販薬で改善が見られない場合は、隠れた病気がないかを確認するために医療機関を受診し、専門家にご相談ください。漢方薬についても、我々のような専門家に相談することで、よりご自身の体質に合ったものを選ぶことができます。
スッキリとした毎日を送るために、ご自身の体と向き合い、適切な対策を見つけていきましょう。
根本から治していくために
こきあ相談薬店ではお越しいただいた際に、お客様の生活スタイルや食事の摂り方などを詳しくお聞きし、それぞれお一人お一人に適した漢方薬、漢方食品、サプリメントなどをご提案すると同時に、その方に合った生活や食事の養生法をお伝えしています。
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